2016 Fiscal Year Research-status Report
状態空間モデルに基づく統計的アクセス制御手法の研究
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15K00195
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
南 和宏 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (10579410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹生 智也 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイエンス統合データベースセンター), 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (40635067)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アクセス制御 / 状態空間モデル / 匿名化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、モバイルユーザーの位置情報を地理的領域ごとに集計し、その統計情報を公開するサービスを想定し、その機密性保護の安全性を昨年度開発した隠れマルコフモデルに基づき検討した。このサービスモデルではユーザーの移動軌跡情報は削除され、各時刻ごとの集計情報のみが公開されることになるので、匿名化した軌跡情報を公開する場合よりも機密情報漏えいのリスクは低いと考えられる。しかし、隣接する時刻の集計情報の差分から、ユーザーの移動パターンを確率的に推測することは可能であり、そのリスクをエントロピーの概念で定式化し、隠れマルコフモデルで定量的に評価する準備を進めた。前年度のアクセス制御技術を対象としたモデルから匿名化技術を対象したモデルに拡張のための実装作業を進め、集計情報を観測情報として出力する記号出力行列生成手法と内部状態推定手法の開発を行った。また軌跡情報の漏洩を防止するための時系列データのサンプリング手法についても検討し、自己回帰モデル、Extremogram等の時系列モデルに基づくサンプリング手法の事前評価を実際の位置情報データで行った。さらにクロス集計表の形式で公開される統計データの安全性を検討し、内部者攻撃を想定した占有性ルールの効率的検証方法を考案し、代表的な統計分析用言語であるRで表データの安全なセル秘匿化を行う自動審査ツールの開発を行い、公的調査データを用いてその利便性、拡張性の評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本提案手法が位置情報プライバシーのアクセス制御および匿名化技術の統一的な評価手法として考案することができ、また最終年度の実証的評価に向けての実装はほぼ終了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、位置情報のアクセス制御および匿名化手法の安全性に関して実際の実データを用いた実証実験を行う予定である。また匿名化アルゴリズムに対して、確率的にノイズを追加する擾亂的手法の新規開発を行う。
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Causes of Carryover |
研究成果を発表するためにより適切な国際会議が次年度に開催されるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果発表のための国際会議出張を1件予定している。
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