2017 Fiscal Year Research-status Report
エピソード記憶に関わる脳内機構の加齢変化と病的変化:脳機能画像法を用いた研究
Project/Area Number |
15K00206
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 麻希 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 寄附講座講師 (80422145)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | エピソード記憶 / 加齢 / 脳機能画像法 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、脳機能画像法(機能的磁気共鳴画像法、fMRI)を用いて、健常高齢者および健常若齢者のエピソード記憶課題施行中の脳活動を計測し、両者を比較することで、その脳内機構の加齢変化を検討することを目的とする。最終的には、正常加齢と病的加齢による脳内機構の変化の違いを明らかにすることを目指す。 これまで脳機能画像研究に用いるための最適なエピソード記憶課題、つまり出来事にまつわる時間や場所など文脈情報の記憶を問う課題の作成を目指し、予備的な行動実験をおこなってきた。本研究課題において、健常高齢者に対する床効果あるいは健常若齢者に対する天井効果の両方をクリアできる記憶課題の作成が必須である。刺激の数、呈示時間や呈示回数、学習から想起までの遅延時間などを変数として行動実験を繰り返した結果、健常高齢者および健常若齢者の両方に施行できる2つの記憶課題、つまり時間情報を問う記憶課題(学習リストAとBを学習させ、後に2刺激を呈示してその時間順序の判断を求める)、および、場所情報を問う記憶課題(刺激1枚をコンピュータ画面の左右どちらか一方に呈示して学習させ、後に刺激1枚を呈示してその左右の判断を求める)をおおむね完成することができた。研究参加者はこれまでの実績からすでに募集の体制が整っており、両方の年齢群とも確保に支障はない。次年度は、脳機能画像研究を開始し、データ収集およびその解析に着手する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの予備的な行動実験に基づき作成したエピソード記憶課題を用いて脳機能画像研究を開始予定であったが、研究代表者の研究施設の異動が重なったこともあり、開始が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題への研究参加者の確保には支障ない。速やかに研究課題を開始・継続できるように、連携研究者とも密な連絡体制を引き続き確保する。
|
Causes of Carryover |
(理由) 脳機能画像研究の実施に伴う研究経費、データ解析用パソコンなどの機器の購入が次年度となったため。 (使用計画) 次年度の主な研究経費の使途は、データ解析用パソコン(設備備品費)、研究参加者および研究補助者への謝金、MRI施設使用料などを予定している。
|