2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cognitive neuroscience research on facial attractiveness by cosmetics
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15K00217
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
仲渡 江美 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (30509211)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 化粧 / 頭部近赤外光計測装置 / 顔の魅力 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常,女性は,女性的でより身体的魅力を高める印象をもたらすために,化粧を利用することが多い.では,実際に化粧によって他者からの印象は増し,魅力的な顔として認識されるのか.心理的な実験では,化粧による第三者からの魅力の上昇効果が示されているが(例えば,Cox & Glick,1986),実際に脳活動の計測によってその効果を調べた研究はほとんどない.そこで,本研究の目的は,顔認知の応用的観点から化粧顔に対する魅力について頭部近赤外光計測装置(HOT121B.日立メディコ社製)を用いて,前頭前部の活動を計測することで,化粧による顔の魅力の神経基盤を明らかにしていく. そのために,まず女子大学生を対象として,素顔とメイクアップアーティストによる化粧を施したメイク顔の2枚の写真を撮影した.撮影した写真の背景や大きさを統一し実験に用いた.次に,それら撮影した未知の女子大学生の素顔と化粧顔,およびコントロール刺激(単純な画像)の画像を提示し,それらの画像を見ている間の男子大学生の前頭前部の血中ヘモグロビンの量的変化について調べた.その結果,男子大学生は,女子大学生の素顔と比べ,化粧顔を観察中に前頭前部の活動が増加する傾向にあることを示した.したがって,化粧による第三者からの魅力の上昇効果を脳活動の計測によって明らかにした. 本研究結果から示された化粧による他者からの魅力増加といったポジティブな評価は,化粧した本人の自信や積極性の上昇につながると考えられる.また本研究で使用した頭部近赤外光計測装置は持ち運びが簡単にできるため,今後高齢者や障がい者に対しても,化粧をすることで自信につながる‘化粧セラピー’へのさらなる実用化への基礎的研究として,本研究成果が有益につながるのではないかと考える.
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Research Products
(2 results)