2016 Fiscal Year Research-status Report
バリアフリー法に基づく路面評価のための高精度な三次元計測システムの開発
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15K00224
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
大川 一也 千葉大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50344966)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 路面計測 / 水平維持機構 / 三次元計測 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，バリアフリー法を満たしていない場所や度合いを効率よく調査するための装置および手法の提案を目指している．具体的には，車いすなどに搭載できる高精度な三次元計測装置を開発し，移動しながらバリアフリー法の基準を満たしているか否かをリアルタイムで評価するシステムの構築を目指している．
平成27年度に製作した三次元計測装置は，路面の凹凸によって移動台車が傾いた状態でも，常にレーザセンサの姿勢を水平に保ちつつ計測できる装置である．この装置を用いて検証を行ったところ，ソフト的に傾きを補正する場合と比べて路面の計測密度の粗密が少なく，計測漏れが少ないことを確認した．平成28年度は路面の解析から開始しようとしたが，予定していた精度での計測ができていないことが判明した．その理由を考察したところ，センサが小さく振動していること，また，その振動の中心がセンサの位置から離れていることが分かった．そこで，今年度は，その振動を軽減するための水平維持機構の改良を行った． また，改良した三次元計測装置を用いて，路面計測を行った．本研究では，路面を格子状にグリッド化し，そのグリッドに入った計測点の変動係数を算出して判定することとした．これにより，30mm程度の凹凸（段差やポットホール）を判別できることを確認した．
バリアフリー法では20mmを目安としているため，本研究で開発したセンサよりも高精度な計測が求められる．このためロボットに加速度センサを搭載し，その振動を計測することで凹凸を判定することとした．この計測手法は，移動体の車輪のある場所に限られるものの，5mm程度の段差でも検出できることを確認した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は，センサの振動を軽減するための水平維持機構の改良から始めた．具体的には，センサのレーザ光が入出力される位置を中心に回転できる機構に変更し，また，RCサーボモータのCompliance MarginやPunchを調整することで振動を軽減させた．
次に，改良した水平維持機構を用いて三次元路面計測を行った．バリアフリー法では，絶対高さ（標高）は重要ではなく，凹凸や段差といった高さの変化量が重要となる．理論的には微分を取ればよいが，計測誤差が存在すること，また，進行方向の段差を見落とす可能性がある．そこで本研究では，路面を格子状にグリッド化し，そのグリッドに入った計測点の変動係数を算出した．これにより，30mm程度の凹凸（段差やポットホール）を判別できることを確認した．
さらに，小さな凹凸を検出するため，ロボットに加速度センサを搭載し，その振動を計測することで凹凸を判定することとした．この計測手法は，移動体の車輪のある場所に限られるものの，5mm程度の段差でも検出できることを確認した．
水平維持機構の改良に若干の時間が取られたこともあり，やや遅れ気味ではある．今後は研究ペースを上げていきたい．
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に改良した水平維持機構によって計測を行い，三次元的に表示を行ったところ，草や落ち葉を凹凸として検出していることが分かった．実際に凹凸があることから，計測結果は正しいが，落ち葉は車いす利用者にとっては走行の妨げにはならない．本研究の目的は，バリアフリー法の判定であることから，アスファルトの凹凸か，落ち葉かを判別したいと考えている．そこで，カメラ画像および路面の三次元データを畳み込みニューラルネットワークに組み込み，これらを自動判別することを目指す．
また，当初の予定通り，路面検出用の測域センサの受光強度情報を用いて，歩道と車道の間にある白線を検出することで境界部分を特定し，歩道部分についての段差・傾斜角の評価を行っていく予定である．
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が43,889円となった．これは，平成28年度中に1件の学会発表を見込んで用意していたが，間に合わなかったためである．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の研究成果を平成29年5月に発表するため，この旅費として使用する．平成29年度の直接経費は400,000円は，予定通り，主に研究成果の発表のために使用する．
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Research Products
(1 results)
