2016 Fiscal Year Research-status Report
生体電気インピーダンス法と超音波撮像法を融合した新しい組織イメージング法の開発
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15K00240
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
福田 修 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20357891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 浩 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50251195)
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (70300473)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インピーダンス / トモグラフィ / 超音波 / 逆モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,当初の研究計画で予定していたハードウェア計測システムの開発を完了した.開発したシステムは,インピーダンスメータ(定電流の発生,及び電位の計測),超音波エコー装置(対象物の内部構造を非侵襲的に計測),多電極を配した計測用の水槽(16チャンネルの電極を等間隔に配置),印加電圧のチャンネル選択切り替えボックス(独自に開発),制御用のPCと入出力拡張ボード,制御用パーソナルコンピュータ,制御用ソフトウェア(独自に開発)からなる. 独自に開発した切り替えボックスでは,印可する定電流と計測電位とを,PCからの制御信号とは絶縁して伝送するために,16個の機械式リレーを利用して構成した.リレーの駆動は,制御用PCからUSBインタフェースを介して実行される.制御用ソフトウェアは,Visual C++ 2015で独自に開発を行った.このソフトウェアは,グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を実装しており,マウス及びキーボードの操作により,パラメータの変更や動作の切り替え,実行ができる.本システムでは,16個の電極の選択を切り替えながら計測を実行するが,プログラムでは,これらの選択の組み合わせや順番を自由に制御できる.全ての電極切り替えを,順番通りに実行する自動切り替えモードと,その都度自由に選択するマニュアルモードが用意されている. 超音波エコー画像の撮影は,塩化ビニル性の水槽壁を介して実施する.計測対象は水槽に充填された水と,その中に挿入された絶縁体とする.エコー画像は多方向から撮影し,それらを合成して一枚の横断面画像を構成するものとした.これについては,本研究グループが保有する画像合成技術を利用した. 本年度は,システムの構築に時間を要し,成果をまとめるまでに達しなかったが,前年度に計測した実データについて解析を実施し,アプリケーションの可能性を成果発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計測システムのハードウェアとソフトウェアの構築を完了し,ソフトウェアライブラリEIDORSを利用したイメージングまでの一連の処理を実現した一方で,本提案の重要な技術の一つで,前年度からの課題でもある境界条件の導入には至らなかった.当初予想していた以上に,ライブラリの活用に時間を要しているためである.今後の検討を進める中で,状況次第では,独自のソフトウェア開発により逆問題を解く方法を検討したいと考えている.また,必要に応じて計測対象のモデルを簡略化し,検討のし易い問題に変更することで対応したいと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
開発したハードウェアによる実験を進め,提案手法の有効性を検証したいと考えている.境界条件を導入する問題についても,引き続き打開策を検討していきたい.
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Causes of Carryover |
本年度は,システムの構築に時間を要し,成果をまとめるまでに達しなかったため,成果発表に予定していた予算に相当する次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現状の問題点を解決し,本年度に予定していた成果発表を次年度に実施する.
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