2016 Fiscal Year Research-status Report
音響的クラスタリングによる骨伝導音の明瞭性改善に関する研究
Project/Area Number |
15K00245
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
中山 仁史 広島市立大学, 情報科学研究科, 助教 (20508163)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籠宮 隆之 千葉大学, フロンティア医工学センター, 特任助教 (10528269)
石光 俊介 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (70300621)
中川 誠司 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (70357614)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 骨伝導音 / 音声 / ダイナミックレンジ / 周波数特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
音声は基本周波数であるピッチから第4もしくは第5フォルマント程度の音声帯域を必要とすることが一般的である.よって,明瞭な骨伝導音を得るためには同様な帯域を確保することが求められるが,空気伝搬である音声と比較して,個体伝搬音である骨伝導音では必ずしも明瞭な音声を得ることができない.これは,信号強度の高い低域音声と比較して,高域音声では必ずしも十分な信号強度が得られないためである.特に,2kHz以上の高い周波数域で減衰することは,音声の第3及び第4フォルマント以降の音響的特徴の減衰を意味するため,母音や語彙そのものの情報伝搬が可能であったとしても,第3フォルマント及び第4フォルマント以降を有しない,自然性の低い音声となることを意味している.これまでの結果より,より明瞭性の高い音声を得るためには,これらの改善が必要であり,広いダイナミックレンジを有する音声帯域の収録が不可欠であるとの考えに至った.そこで,これまでの検討により広いダイナミックレンジを取得するための計測環境の整備を行うことにした.新たに準備した計測環境では計測環境では130dB程度のダイナミックレンジを確保することが期待でき,従来の音声信号を計測することを目的とした環境との差別化が期待できる.しかしながら,現時点では系統的な音声データベースとしての構築は不十分であるため,音声の音響的また言語的特徴を明らかにする上で耐えうるデータベースの構築を行う必要がある.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
通常の音声収録環境では広いダイナミックレンジを確保することが出来ない計測環境であったため,新たにこれに対応した信号収録環境の準備に留まったことが原因である.次年度である平成29年度へ向けての準備ができたため,平成29年度以降はこれらの環境を対象とした音声及び骨伝導音の計測を実現し,音声と骨伝導音の音響的特徴をクラスタリングすることを目的とする.
|
Strategy for Future Research Activity |
高域のダイナミックレンジを確保した上で,音声及び骨伝導音の収録を行い,著しく減衰した音響特徴を明らかにするためのクラスタリングを行う予定である.
|
Causes of Carryover |
効率的な利用のために必要最低限度の購入や出張等に抑えたため差額が生じたものである.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
データベース構築のための計測環境や収録に伴う費用として用いる予定である.
|
Research Products
(4 results)