2015 Fiscal Year Research-status Report
運転時の視線および走行データを用いた散漫運転を検知するための動的推定法の研究
Project/Area Number |
15K00247
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
西山 裕之 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (80328567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和田 勇人 東京理科大学, 理工学部, 教授 (30203954)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | データマイニング / 機械学習 / 帰納論理プログラミング / 眼球運動測定 / 自動車運転 / 散漫運転検知 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度(初年度)は研究計画通り,①走行・視線情報収集ソフトウエアの開発,および②散漫学習ルールの生成ソフトウエアの開発を実施した. ①の収集ソフトウエアに関しては,当初予定の眼球運動測定装置(The Eye Tribe Tracker)だけでなく,IntelのRealSenseに対する開発も実施した.これにより,運転者の眼球運動情報だけでなく,眉毛や口などの表情情報の収集も可能になった.なお,本研究成果は国際会議のAPIEMS2015にて「Design of a User-Support System for Drivers Based on Status Monitoring Using a Depth Sensor and a Smart Phone」というタイトルで発表を行った. ②の学習ルール生成ソフトウエアに関しては,通常運転と散漫運転時の運転データおよび眼球運動測定データに対し,帰納論理プログラミングに基づく並列機械学習システムを開発および利用することにより,散漫運転ルールの生成に成功している.本機械学習システムは共同研究者の大和田が開発した機械学習ツールを,西山が並列処理可能なシステムとして設計・実装を行ったものである.なお,本並列学習システム設計に関する研究成果は,国際会議のILP2015にて「Yet Another Parallel Hypothesis Search for Inverse Entailment」というタイトルで発表を行った.さらに,本システムを用いた散漫運転ルール生成に関しても,同ILP2015にて「Identifying Driver’s Cognitive Distraction Using Inductive Logic Programming」というタイトルで発表を行い,その研究成果を報告している. その他,顔情報に関する研究および位置情報収集方法に関する研究を実施し,複数の国際会議にて研究報告も実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究計画通り,①走行・視線情報収集ソフトウエアの開発,および②散漫学習ルールの生成ソフトウエアの開発を実施した.本研究に関しては,2つの国際会議にて計3件の発表を実施し,その研究成果を公表している.さらに,①走行・視線情報収集ソフトウエアの開発に関しては,当初予定の眼球運動測定装置に対する開発だけでなく,3Dカメラを対象にしたシステムも開発しており,得られる運転者情報を向上させることに成功している.その他,②散漫学習ルールの生成ソフトウエアの開発に関しては,並列学習システムを設計・実装することにより学習時間の短縮化に成功するなど,来年度以降収集するデータ量の増加に対応することが期待できる. 以上より,平成27年度の研究は当初の計画以上に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度(平成28年度)は,当初の研究計画通りに推進する予定である.その内容として,まず,①により運転実験を繰り返すことでデータを収集するとともに,②で開発した散漫検知ルール生成ソフトウエアによる学習精度の向上を図る.さらに本年度は,運転実験に学生の運転データも加えたいため,運転シミュレーション環境での実験も行う予定である.なお,運転シミュレーション環境の試作はすでに完了しており,本環境構築に新たな機材などは必要ない.そして,得られた散漫運転ルールを用いて実車による運転実験を行うことで,運転中における散漫が生じている位置情報の計測を行う.本情報に基づき,③散漫時の危険位置特定ソフトウエアの開発を行う.
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Causes of Carryover |
平成27年度は国際会議への論文投稿数が多かったため,作成した英語論文に対する英文校正の依頼を行うことにより,「その他」の区分の支出は多くなった.反面,国際会議が日本国内で行われたものもあったため,旅費に関しては平成27年度の支出は抑えることができた. その他,学生アルバイトに関しては,実車による運転実験を学生に行わせることは安全上の問題から困難であるため,平成27年度の学生アルバイトの支出は生じなかった.なお,平成28年度はシミュレーション運転実験環境上での学生アルバイトによる運転実験を予定している.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度はシミュレーション運転環境の構築に伴い,学生アルバイトによる運転実験を重点的に実施する予定である.これにより,昨年度の残予算も有効的に活用する予定である.その他,複数回の渡航を必要とする国際会議への参加も予定していることから,その旅費として残予算を使用させて頂く予定である.
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