2015 Fiscal Year Research-status Report
学習・教育支援のための多様な環境で収録された授業音声の利活用に関する研究
Project/Area Number |
15K00254
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
南條 浩輝 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (50388162)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西崎 博光 山梨大学, 総合研究部, 助教 (40362082)
高橋 徹 大阪産業大学, デザイン工学部, 准教授 (30419494)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 音声言語情報処理 / 学習支援 / 教育支援 / 授業音声の利活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
音声言語処理を用いた教育支援の研究を推進している。大学などの「十分な録音環境が整えられている教室」での授業だけではなく、録音環境・形態・授業対象者が異なる多様な授業を対象とし、汎用的な授業音声の再利用(教育・学習支援)の基盤形成をめざし研究を推進している。平成27年度は、具体的には以下を推進した。 - 授業音声の明瞭化: 授業音声を聞きやすく、または、音声言語処理を適用しやすくするための技術について研究を進めた。既存の雑音残響抑圧技術の適用可能性と問題点を検討し、必要な課題の明確化に取り組んだ。これは多様な環境で収録された音声を標準化する試みであり、その後の再利用過程において意義が大きい。 - 授業音声の再利用化システムのための基盤技術: 授業音声の音声認識システムの研究を推進した。本年度は、小学校で収録された授業音声を対象として、既存の音声認識技術を適用し、その可能性と問題点を探った。音声認識の難しさと教科や授業対象者の年齢区分との関係や、授業の各種特徴(発話のスタイル、発話速度など)との関係を明らかにすることを目的として研究を推進した。音声認識のための音響モデル、言語モデル、フロントエンド音声処理について知見を得た。また、教師が自身の音声認識性能を改善できるようになるための支援ツールの研究にも取り組んだ。さらに、授業音声の検索のための技術(音声ドキュメント検索)の研究も推進した。本技術の共通評価基盤の整備についてもNTCIR-12プロジェクトにオーガナイザとして参加することで推進した。これらは授業音声の再利用のための基盤形成にとって意義深い。 - 情報収集と成果報告: 関連研究の調査と成果報告を推進した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
授業音声の利活用のための諸技術、具体的には、音声認識、検索、雑音処理を含む明瞭化について研究を推進できている。研究基盤の整備にも取り組めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
・授業音声コーパスの拡充とアノテーションを可能な限り実施 ・授業音声の明瞭化技術、および明瞭化された音声の音声認識のための諸技術の研究を推進 ・授業音声コーパスのコンテンツ化のための音声の検索技術の研究を加速化
|
Causes of Carryover |
研究初期段階での研究推進において、既存の研究環境(設備・知見・データ)の活用を行い、また他研究者からの研究環境提供を費用負担なしで受けることができたため、物品費や人件費・謝金について当初予定額より少ない支出となった。論文投稿にかかる費用支出が次年度以降となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次の目的に使用していきたい。①授業音声コーパス整備の推進、②提案課題の遂行のための高性能計算機の導入とそれによる研究展開の加速化、③研究成果の発信(海外向けの発信、論文投稿)の活性化。
|
Research Products
(7 results)