2016 Fiscal Year Research-status Report
視覚的顕著性に基づく投影型複合現実感技術による注視誘導インタフェースの実現
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15K00282
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
滝本 裕則 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (10413874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満倉 靖恵 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (60314845)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 注視誘導 / 視覚的顕著性 / プロジェクタ・カメラ系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、空間的視覚特性を考慮した誘目性モデルを構築し、得られた視覚的顕著性情報に基づいて、対象の見かけに対して色と輝度の強度と空間周波数成分を補正光投影により変化させることで注視誘導を実現する。 平成28年度においては、動的なシーンに対して物体の見かけを自在に制御し観察者の注視を自然に誘導するため、プロジェクタカメラ系を用いた視覚的顕著性に基づくcolo-based attentnion retargeting法を実装した。具体的には、補正光の強度の算出には、見る対象によって注視のしやすさは変化するという発想に基づき、注視の引き付けやすさを示す指標として、Ittiらによって提案された視覚的顕著性マップモデルを利用した。まず、実空間をカメラで撮影し、カメラより取得した画像に対して指定した領域の視覚的顕著性が最も高くなるように各画素値を調整した。その後、調整した画像に基づいてプロジェクタより投影する光の強度を決定した。また、評価実験によりその有効性を確認した。 一方、人の注視の自然かつ効果的な誘導を実現するため、空間周波数成分に基づく視覚的顕著性マップおよび、提案マップを用いた画像加工法を提案した。注視を誘導したい領域の画像内での視覚的顕著度を相対的に高くするため、提案した視覚的顕著性マップに基づいて空間周波数成分を抑制した。また、人の注視を誘導可能か検証するため、視線計測装置を用いて評価実験を行った.結果として、既存手法よりも効果的にROIに対して被験者の注視を誘導可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の課題は下記3つであった。 【課題1】プロジェクタ・カメラ系の構築(平成27年度からの継続課題) 【課題2】注視誘導に向けたフィードバック制御に基づくColorベースの見かけ制御技術の実現 【課題3】空間周波数成分に基づく視覚的顕著性マップの提案と本顕著性マップを利用した注視誘導の実現 全ての課題について、当初の予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画としては、基本的には当初の申請書通りに進める予定である。特に、装着型視線計測装置を購入し、実環境下での評価実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
装着型視線計測装置の選定に時間を要しており、未だ購入に至っていないため次年度使用額が生じた。なお、装着型視線計測装置は主に平成29年度に実施予定である評価実験で用いるため、これまでのところ研究を進めるうえで影響はない。 また、平成28年度に国際会議で発表する予定であったが、都合により平成29年度に2件発表することとなった。したがって、それに係る費用を次年度に使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
先に述べた通り、装着型視線計測装置と国際会議発表に使用する予定である。
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