2016 Fiscal Year Research-status Report
ボリュームディスプレイによる四元数Julia集合の可視化に関する研究
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15K00286
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
山本 欧 東京電機大学, 工学部, 教授 (20291700)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ボリュームディスプレイ / 四元数Julia集合 / FPGA |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度~平成29年度前半の研究実施計画に基づき,次の手順で研究を行った. 1.ディスプレイボードの選定:本ボードの役割は,ホストPCから表示データを受け取り,ボリュームディスプレイの体積走査(往復運動)に同期してVFDパネルに表示することである.ホストPC側でのマウス操作にリアルタイムに反応してディスプレイの表示画像を更新するには,ボード側に高速なインタフェースが備わっていることが望ましい.このため,市販の汎用FPGAボードの中から,USB3.0インタフェースを備え,サイズも名刺サイズである(株)特殊電子回路社製Artix-7評価ボードを選定した. 2.FPGA上の回路実装と実験:ボードのFPGAに実装する回路は,ホストPCから受信した表示データを蓄えるメモリ(512KB)と,体積走査に同期してデータを読み出しVFDパネルに転送するロジックから構成される.本回路をVHDLにより記述し,FPGA上に実装した.また,ホストPCからボードに表示データを転送するソフトウェアをC++言語により実装した.前年度の研究成果により作成した四元数Julia集合の表示データを表示する実験を行ったところ,約24Hzのフレームレートで立体表示がであった.ボードのサイズに関しても,これまで使用してきたもの(A4サイズ)より大幅な小型化が達成できた. 3.往復運動機構の小型化:体積走査のための往復運動機構の小型化のため,医療用ポンプに使用されているバランス型駆動機構を利用した装置の試作を,(有)ケイ・アールアンドディ社に依頼した.本装置は,これまで用いてきた水平対向型の往復運動装置(幅20cm×高さ15cm×奥行70cm)より大幅に小型(幅23cm×高さ15cm×奥行25cm)となり,動作試験の結果,振動・動作音も低減されていることが分かった.また,振動・動作音に関し,さらに改善可能な部分が判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度~平成29年度前半はFPGAボードを用いたディスプレイボードの開発が主であるが,市販のボードで使用目的に合致したものが利用できたため,ボード自体の開発に伴う困難さを避けることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本報告作成の時点(平成29年4月末)で,新たなディスプレイボードを用いた立体画像表示に成功しており,今後,年度の前半にかけて,ホストPC上でのマウス操作に追従した表示画像の回転等が可能となるように,ホストPC側のソフトウェア,およびボード側の回路の改良を行い,四元数Julia集合の立体表示システムとして完成させる.また,小型化された往復運動機構に対し,振動・動作音をより低減する改良を行う.
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Causes of Carryover |
今年度の支出は,小型化した往復運動機構の試作によるものである.他に,研究で使用する3Dディスプレイ装置の補修用機械部品・電子部品の購入のための支出予定があったが,平成28年度中は補修の必要な状況にはならなかったため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記理由より,次年度使用額分は,平成29年度中にディスプレイ装置の補修が必要になった場合に充てる予定である.
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