2015 Fiscal Year Research-status Report
回遊者行動履歴データの学習による将来予測モデルの構築
Project/Area Number |
15K00311
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
湯瀬 裕昭 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (30240162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 伸明 静岡県立大学, 経営情報学部, 准教授 (40275102)
川原田 茜 静岡県立大学, 経営情報学部, 助教 (70710953)
斉藤 和巳 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (80379544)
大久保 あかね 常葉大学, 経営学部, 教授 (80434538)
渡邉 貴之 静岡県立大学, 経営情報学部, 准教授 (90326124)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 知識発見とデータマイニング / 回遊行動モデル / 回遊者類型化 / 回遊中心性 / 実証評価 / 観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1)観光等での回遊者の将来行動を妥当な精度で予測可能にする回遊行動モデルの確立、2)回遊行動モデルの有効性の実証評価である。 1)については、回遊行動モデルの構築に先立ち、寄り道する際の容易さを示す度合である回遊中心性に実際の回遊者の行動データを組み込んで拡張を行い、最適な寄り道スポットを抽出する手法を提案し、その妥当性の評価を行った。さらに、確率付き集合回遊中心性に基づく重要観光スポットを抽出するための並列計算の手法も開発した。また、回遊中心性の応用可能性を探るため、防災分野での活用についても検討を行った。そして、回遊行動モデルとして、観測されたデータを基にユーザの観光行動を確率モデル化することを試み、観光スポットの人気度を導入した Levy flight 行動過程に基づいた確率モデルと,観測されたユーザ行動データからモデルのパラメータを推定する効率的な学習アルゴリズムを提案し、レビューサイトのデータセットから生成したユーザ行動データを用いた実験によりそれらの評価を行った。 2)については、回遊行動モデルの有効性の評価に必要な技術を確立するために、道路網の分析に関する技術やユーザの回遊行動を測定する技術の開発を行った。まずは、オープンストリートマップサイトから各都道府県道路網のネットワークを抽出し、各地域の道路網のネットワークとしての類似度構造を分析する技術を開発した。さらに、スマートフォンのアプリケーションを使ってユーザの回遊行動を測定する技術の開発も行った。観光等における回遊行動の計測を美術館の屋内において試み、小規模な範囲における回遊行動の計測とそのデータの分析を行い、実証評価に向けた基礎的な技術を蓄積することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、3年計画の1年目となる。観光等での回遊者の将来行動を妥当な精度で予測可能にする回遊行動モデルの確立にむけて、その前提技術となる回遊中心性について、その拡張や並列計算手法の開発、防災における応用などの検討を進めることができた。そして、ユーザの観光行動を観測されたデータを基に確率モデル化する手法を開発することができた。また、回遊行動モデルの有効性の実証評価に必要となる基礎的な技術の開発と小規模ながら美術館屋内における閲覧者の回遊行動の測定と測定データの分析を行うことができた。これらのことから、1年目の研究としては概ね順調に進んでいるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、初年度の研究成果を基に、以下の1)から3)の課題について研究を進める。 1)観光スポット間の距離や人気等を組込んだ拡張回遊行動モデルの構築とその性能評価、2)基本行動モデルの観点での回遊者群の類型化技術の確立と類型化結果の妥当性評価、3)確立した回遊行動モデルの観光イベント等での実証評価 上記の研究成果を基に、4)確立した回遊行動モデルからの回遊行動新知見の獲得可能性の明確化を目指す。
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Causes of Carryover |
当初は、人件費・謝金として44万8000円を計上していたが、研究が順調に進んだため最終的には人件費・謝金の支出が22万6832円で済んだ。また、その他の経費として32万円を計上していたが、回遊行動を測定する実験を、屋外ではなく屋内で行うなどしたため、必要とする機材等の経費が少なくなり、最終的には23万3740円となった。物品費と旅費が当初計画より若干オーバーしたが、人件費・謝金とその他経費の余った分のほうがはるかに多いため、26万6968円を次年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越額を次年度の予算と合算し、データ構築・データ分析の補助及び実証実験の補助の人件費や、回遊行動モデルの観光イベントなどでの実証評価のための経費、研究成果発表のための会議参加費や旅費などに使用する。
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Research Products
(9 results)