2015 Fiscal Year Research-status Report
中小企業の人づくりに向けた、「失敗からの学び」を促進させるゲーム開発
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15K00319
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 潤 金沢工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員教授 (80532994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永吉 実武 早稲田大学, 商学学術院, 主任研究員 (80620616)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 組織学習 / 貢献意欲 / 共通目的 / コミュニケーション / ワークスタイル / 共有プラットフォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究に協力頂いている企業にてで進めている「失敗からの学び」の象徴的な「反省塾」に関連するインタビューを行った。その結果を踏まえ、Webベースのアンケートを開発した。同社の全面的な協力をもとにアンケートを実施し、800名を超える回答を得た。その結果、失敗から学ぶ組織学習の成功要因として、貢献意欲・共通目的・水平垂直展開のコミュケーションが抽出された。また、知識共有と知識創造活動を共に両立させるワークスタイル(表彰制度等)と共有プラットフォーム(イントラによる同社のサイバーマニュアルと呼ばれる知識共有システム)がConsistentに戦略性をもって取り組まれていることがクリティカルパスであることも判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケートの開発を済ませ、多くの回答を得たことから、分析可能なデータが豊富となった一方、ゲームによるアプローチよりもストレートに能力向上に向けた議論に(協力会社の経営陣と)なりつつある。いずれにせよ、現状までは国際学会への発表も行い、概ね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの状況」でも触れたように、最終的な、失敗からの学びの生産性を高めるために、適切なゲームの形態を十分に検討しながら、仕様の検討をする段階にある。現状では、当初の予定通り画像認識の機能を用いた仕組みを考えているが、単に画像をドラッグした位置情報だけではなく、視線計測や発話状態をデータとして取り込む機能を検討中である。同時に、失敗から学ぶシナリオが必要であり、この情報は研究協力を頂いている企業から仕入れることになっている。そのシナリオに沿った画像データをもとに、システム開発を行う方針である。
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Causes of Carryover |
当初のゲーム開発の仕様に関して、最終的に失敗からの学びの生産性を高めるために、適切なゲームの形態を十分に検討しながら、仕様検討を推進していた。このため、システム開発費用の出費が繰り越されたことが主な要因。 これに先立ち、アンケート開発の仕様変更が続き開発リードタイムがかかり、アンケート回収にも時間を要したことなども背景にある(その分、回答者数が800人を超えて、データ解析としては申し分ない内容となった)。 いずれにせよ、開発に際しては、拙速に仕様検討に着手するのではなく、質的・量的な面でケース企業の調査を十分実施してから、開発仕様の検討に着手することで、ケース企業とも相談している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
画像データをドラッグする動作履歴から、画像認識する視線計測を用いてより微細な動きを解析するとともに、可能な限り発話を分析し、本番機の開発を進める。既に、ケース企業からはサンプルデータを取得したので、それをもとに失敗から学ぶシナリオを描き、システムに如何に織り込むかを検討中。尚、ゲームと言うコンセプトから、ストレートにトレーニングをすることが、被験者にとっても望ましいことがわかってきた。その背景としては、ゲームの狙いは認知科学的に人の動きを知る観点であったが、トレーニングであれば、そもそも能力向上と言うユーザーの立場でストレートにアプローチできるので、経営者としての満足度につながることが判明したため。
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