2016 Fiscal Year Research-status Report
機械学習と網羅シミュレーションによるMA共有資源選択の効率化・安定化手法の確立
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15K00328
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
野田 五十樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人工知能研究センター, 総括研究主幹 (40357744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 倫央 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人工知能研究センター, 主任研究員 (50415759)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マルチエージェント学習 / Exploration 率 / 動的環境 / 進化的アルゴリズム / 資源共有問題 / 社会シミュレーション / 避難シミュレーション / 行動モデルプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
ボトムアップアプローチでは、個々のエージェントの利得関数や行動選択ルールについて、特にExploration 率と共有資源問題の関係について考察・検証を進めた。これをもとに、自律分散な制御方法にもかかわらず、系全体の平均利得と自らの平均利得を比較し、それに基づきExploration 率を調整させる方法を提案・改良し、全体最適を達成できる方法を構築することができた。さらに、この手法について、理論的な側面からも考察し、本手法が安定して全体最適に向かって学習を進めることができることを示した。また、エージェント群全体の挙動について、高次元のパレート解曲面の形状に基づくデータ同化の観点から考察した。この考察から、解曲面と実データとの関係や距離により、パレート解の形状が異なることが示唆され、この形状の異なりにより系全体の挙動の推定可能性について推論できる可能性が示唆された。このことは、データ同化の可能性をパレート解の形状から判定する方法の可能性を示すものであり、いくつかの類型的な場合について、解形状の違いを分類できることが示した。
また、トップダウンアプローチでは、イベント時などの誘導路配置において、動的群集誘導モデルや二段階の誘導を用いた方法をシミュレーションで検討した。その結果、動的な誘導がシステム全体の最適化に寄与できる可能性があること、また、段階的な誘導が有効な場合が存在することを、具体的な地図を元に示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ボトムアップアプローチ及びトップダウンアプローチ共に予定通りの進捗であ る。特にボトムアップアプローチでは、学習方式に加えデータ同化の観点での 分析可能性を考察することができ、汎用な方法論の構築を進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、予定通り、以下のように推進する。 ボトムアップアプローチでは、Exploration 率などのパラメータの調整方法の高度化と、システム全体のデータ同化の理論の確立を目指す。 また、トップダウンアプローチでは、人流などの社会シミュレーションについて、具体的な問題を用いながら検証を進める。
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Causes of Carryover |
参加を検討していた国際会議・国内会議が近郊で開催されたため、旅費などに余剰が生じた。また、物品購入について、シミュレーション用の計算機について再検討を行い、購入時期を見合わせ、翌年度早期の購入に切り替えることとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年であるため、国際会議等での発表を積極的に行う予定である。また、購入を見合わせた計算機について、早期に購入して研究遂行を進める。
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