2015 Fiscal Year Research-status Report
解マイニングの開発と探索へのフィードバックによるDeep Search
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15K00336
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉川 大弘 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20303753)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソフトコンピューティング / 進化計算 / 解マイニング / 可視化 / Deep Search / 非対応性 |
Outline of Annual Research Achievements |
初めに,申請時に進めていた,「目的空間と探索空間との非対応性」に関する検討を行った.平成26年度までの「分布領域の非対応性」に対する成果をまとめ,JACIIIという英文誌において発表した.さらに,「線形関係の非対応性」に関する検討に着手した.ある限られた領域内の個体を対象として,設計変数を説明変数,評価値を目的変数として重回帰分析を行い,その決定係数を指標とすることで,その領域内の設計変数と目的変数とが,どれだけ線形性を持っているかを表すことが可能となる.この指標に基づき,線形関係が対応/非対応,すなわち,線形/非線形な領域を抽出することが可能となる.線形性の高い領域では,設計変数の値から,評価値が予測しやすいことを意味するため,解析・設計を行う上で有益な情報となる.この成果についてまとめ,進化計算学会論文誌において発表した. また並行して,解析で得られた知見を,進化計算手法による探索へとフィードバックする方法について,検討を始めた.可視化結果及び解析結果より,ユーザの求めるパレート解群を選択してもらい,それらのパレート解が持つ評価値ベクトルをReference Pointとした上で,進化計算手法による再探索を行う方法について検討を行った.これの方法は,近年発表されたNSGA-III (Non-Dominated Sorting Genetic Algorithm III)という手法に着想を得たものである.NSGA-IIIでは,Reference Point を目的空間に均等に分布させることで,多様なパレート解を得ているが,このReference Pointをユーザの選択したパレート解群とすることで,ユーザの求める方向に志向性の高い探索が可能になることが期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に計画した通りに研究は進んでいる.また,計画通りにその成果発表も積極的に行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27 年度に取り組んだ,目的空間と探索空間との非対応性に関する検討を引き続き行い,定義した非対応性指標に基づき,対象問題における評価値と設計変数との関係性指標の構築に着手する.構築した指標を可視化結果に反映すると共に,評価値と設計変数との物理的関係性解析手法の確立を目指す. また,Deep Search に関する検討を推し進め,平成27 年度に明らかになった課題について検証し,手法の改善方法を考案する.特に,解選択による探索の方向付け以外の方法について,定量化・探索への反映方法について模索する.また本手法について,特定の問題に対してのみ有効な方法を目指すのではなく,広い応用分野で有益な手法となることを目指す.
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