2015 Fiscal Year Research-status Report
代数幾何学的手法を用いた探索個体群の収束点推定による進化計算の高度化
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15K00340
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
高木 英行 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (50274543)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 進化計算の高速化 / 収束点推定 / 個体の移動ベクトル |
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| Outline of Annual Research Achievements |
【平成27年度研究計画】 個体群が世代毎に大局的最適解に向かう進化計算において，個体毎に世代間の移動を有向線分（移動ベクトル）群で表現して解析的に収束点を推定し，進化計算の高速化を図ることが本研究の目的である．平成27年度では，以下の計画をしていた．
(1)有向線分の推定収束点を有力なエリート個体として進化計算に組み込み，最適化の高速化と計算コストを複数のベンチマーク関数で評価する．(2) 高速化と計算コストを考慮して，行列演算を必要とする収束点推定方法の行列演算を不要にする近似推定法を考案して同様に評価する．(3) 複数世代に亘る平均移動ベクトルによる収束点推定の評価を行う．
【実施内容】 個体の世代間移動ベクトル群から収束点を数学的に推定する手法3種類（厳密な推定法，近似推定法，逐次推定法）を提案し，差分進化に結合させて，14のベンチマーク関数に適用することで評価をした．この結果，単峰性関数では，推定点のfitnessは他の個体に比較しても上位にありエリート個体として探索に組み込むことで高速化が期待できること，多峰性関数の場合は収束点の推定がうまくいかないので局所最適解に向かう移動ベクトルをクラスタリングする必要があることを示し，国際会議CEC2015で発表した．さらに，この収束点の推定精度を向上させる手法を４つ提案し，多峰性関数への対応として双極関数の場合の移動ベクトルのクラスタリング手法を提案し，国際会議SoCPaR2015に発表した．
平成27年度の研究の第1の意義は，提案手法が進化計算を高速化できることを示した点にある．第2の意義は，推定方法の精度向上手法を提案することで進化計算の高速化性能の向上に結びつけることができる点である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
個体群の移動方向から収束点を推定する手法は単峰性関数では有効に働き多峰性関数では異なる方向に移動ベクトルが向いているため，多峰性関数対策が必要であることが予測できていた．平成27年度はそのことを実験的に明らかにし，平成28年度に多峰性対策を行う研究計画であった．
しかしこの研究計画よりも進捗が進んでおり，双極性関数について二つの最適解を推定できるよう移動ベクトルのクラスタリングアルゴリズムの開発，および，推定精度そのものを向上させる４つの工夫を平成27年度で実施でき，国際会議での発表にも結びつけることができた．
このため，平成27年度は当初の研究以上に進んでいると判断できる．
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は，多峰性対応が当初計画である．双極性関数の場合は平成27年度の研究で対応できた．三つ以上の局所解を持つタスクに対応できアルゴリズム開発が平成28年度の研究の中心になる．
具体的対策は，双極関数用に開発した手法を三つ以上の場合に拡張する方法を考えることと，まったく異なる方法で多峰性対策をすることの二つのアプローチがある．後者については，今年度になってfitness景観の平滑化（近似）が局所最適解の大まかな推定に繋がり，それぞれの局所最適解毎に移動ベクトルがクラスタリングできないか，とのアイデアを得た．今年度は，この二つのアプローチで研究を進める予定である．
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| Causes of Carryover |
H27年度から非正規生を雇用する予定であったが，平成28年度の正規生になってから雇用することにしたため．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に研究協力者との連名論文をカナダで発表するため，この2名分の旅費に用いる．
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