2017 Fiscal Year Research-status Report
部分観測マルコフ決定過程理論に基づく発達尺度の模倣関連タスクの包括的実現
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15K00341
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
伊藤 秀昭 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20345375)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 確率的情報処理 / POMDP / 多機能エージェント / 発達尺度 / 模倣 / POMCP / 適応制御 / 最適制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、発達尺度のタスクのうちで模倣に関連するものを多数行うことのできるエージェントを開発することを目的としている。その際、部分観測マルコフ決定過程(POMDP)理論を用いることによって、どのような模倣を行うべきかをエージェントが判断できるようにするとともに、各タスクの遂行においてどのような情報処理を行えばよいかを、エージェント自身が自動的に最適化できるようにすることを目指している。 本年度は、発達尺度のタスクのうちで「他者が円などの図形を紙に描くのを見て、同じ図形を描く(2歳9ヶ月レベル)」が行えるようになり国内学会および国際学会で発表した。また、「他者が棒で物を叩くのを見て、同じ物を同じリズムで叩く(3歳10ヶ月レベル)」も行えるようになり、学会発表を準備している。 さらに、複数のタスクを一つのエージェントが状況に応じて適切に切り替えて行うようにすること、そして各タスクの遂行においてどのような情報処理を行えばよいかをエージェント自身が自動的に最適化できるようにすることも計画していたので、その研究も進めた。具体的には、音声によってヒトがロボットに行なって欲しい動作を伝えることや、その動作を実現するために必要な情報処理の最適化を行うことの出来るシステムを作成した。前年度は計算機シミュレーション上でシステムが想定通りの動作をすることを確認できたところであったが、本年度は実際のロボットでの動作にも成功した。この結果については論文発表を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の研究において、ロボットの動作制御に用いていた最適化手法の性能が不十分である(具体的には、最適化の計算が収束しないことが多い)という問題があることがわかり、目的としていた模倣関連タスクの実現に至らなかった。上記の問題に関しては回避する手法を考案し、論文発表もすることができたが、全体の研究遂行が遅れてしまった。次年度までの研究期間の延長を許可していただいたので、当初の目的を達成すべく研究を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はまず得られた成果の発表を行ってゆく予定である。 また、行えるタスクをさらに増やし、それらを前年度までに開発したシステムに組み入れ、一つのエージェントがより多くのタスクを状況に応じて適切に行えるようにする。 タスクの数が増えると最適化に時間がかかるようになることが予想されるが、処理時間の増加を抑える手法も検討する。
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Causes of Carryover |
前述の理由で研究に遅れが発生しているので次年度使用額が生じた。次年度までの研究期間の延長を許可していただいたので,次年度中に当初の目的を達成すべく研究を進める予定である。
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Research Products
(10 results)