2018 Fiscal Year Research-status Report
遺伝的アルゴリズムにおける集団の多様性の測定と淘汰戦略への応用手法の研究
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15K00347
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Research Institution | Kyoto College of Graduate Studies for Informatics |
Principal Investigator |
高橋 良英 京都情報大学院大学, その他の研究科, 教授 (10347841)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | Stepwise localization / FOP / ACO / Real Coded GA / CMA-ES |
Outline of Annual Research Achievements |
以下にて論文をまとめ、国際会議ANTS2018(Swarm Intelligence)に投稿したところ、採録された。このため、会議開催都市であるRomeに出張しposter sessionで発表してきた。 <タイトル> Experimental Evaluation of ACO for Continuous Domains to Solve Function Optimization Problems <概要>関数最小値探索問題を解くACOBの有効性について,良く知られたMichaelwicz関数等10個の多峰性を有する標準テスト関数を用いて評価した。 ACOBは、蟻のフェロモンコミュニケーションモデルを模した最適化手法であり、実数解を遺伝子列(二進固定小数点データ列)で近似して解く。その際、解の精度を向上させるために、探索空間の段階的局所化機能を有している。この点が巡回セールスマン問題を解くACOからの改良点である。実験の結果、(1)他の最適化手法(CMA-ES, ACOR, BLX-α, 2X)に比べてACOBは解の精度と解探索性能の相反する両方の要求をバランスをとって満たす最適化法であること、(2)CMA-ESは解の探索性能が最も優れた最適化法であること、(3)BLX-αは探索解の精度が最も優れた最適化法であることを検証できた。 <注意>(1)CMA-ES: Covariance Matrix Adaptation-Evolutionary Strategy: 多変量正規分布を基本にした最適化法(2)ACOR: Ant Colony Optimization for Continuous Domains in which ants search for solutions in real data space(3)BLX-α: Blend Crossover with the extension ratio of α: 遺伝的アルゴリズムの探索空間を離散空間から連続実数空間に拡張して解く方法(4)2X: Two-points Crossover in binary search space: ルーレット法等で確率的に選択した親に二点交叉を施して子を生成する方法
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)教育稼働に時間がとられ研究時間(論文作成まとめ)がなかなかとれない。
(2)共同して研究できる研究者がいないこと
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Strategy for Future Research Activity |
以下の論文をまとめ国際会議ICMLA2019(International Conference on Machine Learning and Application)等に投稿予定である。 機械学習「教師あり学習(分類)」を実現する手法として、Real Coded Genetic Algorithm(GAR: 実数値遺伝的アルゴリズム)により実現する方法を提案し、その有効性を、3つの最適化手法(階層型ニューラルネットワークNN, 実数値アント・コロニー最適化法ACOR,共分散行列進化手法 CMA-ES)による手法と定量的に比較評価することで、検証する。 関数最小値探索問題を解く最適化手法として、GAR、ACOR、CMA-ESによる方法が開発されてきた。これまで、これらの最適化手法の評価はDe-Jongの標準関数等を始めとしてよく知られた標準関数を利用して行われてきた。しかし、それらの最適化手法を、機械学習・教師あり学習分野(分類)における具体的な最適化問題に適用する方法を提案し, それを評価した報告はなかった。 本研究でのGARでは交差エントロピーを関数最小値探索問題で対象となる関数と考え、交差エントロピーが最小となるように、ある目的クラスに標本が所属する確率を表現するロジスティック回帰式の係数を確率的に探索する。その際、標本の所属する目的クラスはソフトマックス関数が最大となるクラスであるとして、確率的に決定する。交差エントロピーはID3における獲得できる情報量gainを動的に学習する尺度と解釈できる。 UCIに登録されているiris data等を用いて実験の結果、(1)教師あり学習(クラス分類)はNNのみでなくACO,GA,CMA-ESでも実現できること、(2)4つの最適化法の正答率は高いこと、(3)性能(コンピュータ時間)はNNが最も優れていることがわかった。
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Causes of Carryover |
教育現場での教育稼働に時間がとられ、研究時間(プログラム開発実験とそのまとめ、論文化)を充分とれなかったことが原因である。遅れ気味ではあるが論文執筆余った予算は、次年度以降の国際会議(GECCOやICMLAやCECやANTS)投稿英文の添削日や参加費ならびに海外出張経費に使用する予定である。また最新のPCについても購入予定である。
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