2017 Fiscal Year Research-status Report
製品に対する期待,魅力評価,記憶に関わる認知神経メカニズムの解明
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15K00374
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 一貴 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (10403594)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 製品 / 魅力 / 形態 / 美的感性 / 視覚的要素 / 情動 / 脳波 / 認知神経モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,日常的に使用する製品の付加価値,特に感性品質に関わるユーザの顕在的・潜在的評価プロセスを認知神経科学的な観点から明らかにし,魅力的な製品を設計するための新たな設計理論,設計手法を構築することを目的としている.ユーザと製品との接点の中で,最初に生じる感性評価であるユーザの美的感性に基づく製品形態に対する評価に焦点を当てた検討を進めている.製品形態を見てから,美的評価を行うまでの情報処理を,感覚入力,視覚処理,情動処理,出力(美的評価,選好判断)に分け,製品形態に対する美的感性の情報処理プロセスについて脳波計測を用いた検討を行った.製品形態の美的評価時には,前頭前野,側頭葉,後頭葉の活動がみられ,自己の評価基準との照合,記憶処理,視覚処理などが関与している可能性が示唆された.評価の度合いによる脳活動の違いが,かっこよさ,かわいさと比較して,美しさ評価時では時間的に遅れて現れたことから,美的感性ごとの処理の複雑さが処理時間の違いとして反映された可能性が考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
製品に対する美的感性に関する人間の情報処理メカニズムを理解するために,認知神経科学的アプローチによる脳波計測実験を行った.その知見を基に製品形態の美的感性に関わる情報処理プロセスモデルを構築した.
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Strategy for Future Research Activity |
脳波計測を用いた美的感性の情報処理プロセスの評価手法を構築するとともに,製品形態のどのような視覚的要素がこれらの情報処理を活性化させることに寄与するのかを明らかにしていく.
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Causes of Carryover |
研究進捗状況により,国際会議,学術誌への発表が多く生じたため,国際会議参加費,渡航費,学術誌投稿費に繰り入れる.
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