2017 Fiscal Year Research-status Report
行動観察によるユーザ状況・意図推定を用いた作業支援システム
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15K00382
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
櫻井 義尚 明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (30408653)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 機械学習 / データマイニング / 感性工学 / 意思決定支援システム / 自然言語処理 / 対話システム / ディープラーニング / 行動予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、機械の中に気の利いた秘書が居るかの如くユーザの状況や意図を理解して意志決定に必要な情報提供を行うWeb知能型エージェントの開発である。 この実現には、ユーザの意図を推定する推論アルゴリズムの確立が重要となる。本年度は音声、テキスト情報に基づいた自然言語処理によるユーザの状況推定を中心に研究を進めた。 具体的には、音声対話による意図理解、テキスト情報に基づいた状況・意図理解に向けて、ユーザの目的理解とそれらの情報に基づいて対話を行うカウンセリングエージェントの研究を進めた。ユーザと雑談対話を続けるためには、対話内容を理解するため、一般的に様々なドメインの知識をカバーした巨大な知識ベースを必要とする。しかしながら、提案するカウンセリングエージェントは来談者中心療法に基づいたカウンセリング知識を用いることにより、ドメイン知識を用いずに対話を進めることができる。音声認識に基づいて対話を行うカウンセリングエージェントの3Dモデル版やロボット版などを実装し、カウンセリングとしての有用性を検証し、国際会議において発表した。 また、テキスト情報からのユーザ状況推定エンジン開発のため、ディープラーニングを用いた自然言語処理についての研究を進めた。特に、ユーザのプロファイル情報とメール文章などのテキスト情報から行動予測を行うもので、会員制サイトにおけるユーザ情報から退会行動の予測を行うなどを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標とするWeb知能型エージェントの実現に向けて、対話による意図理解、テキスト情報に基づいた状況・意図理解の研究を進めて研究発表を行った。 ユーザの目的理解とそれらの情報に基づいて対話を行うカウンセリングエージェントの研究を進め、国際会議において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は注視点計測装置を用いたユーザの意図推定を予定していたが、購入を予定していた注視点計測装置が予算不足で購入できなかったため、自然言語処理を用いてユーザの意図推定を行う方向で研究計画を変更した。
また、ユーザの行動情報を収集するため、GPSなどのセンサー情報やスマートフォンアプリなどを活用したシステム作りと、Web上のデータを利用した知識獲得、ユーザの意図理解のため、テキストマイニング手法の研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた注視点計測装置が購入できなかったため、そのための予算が残った。その他のセンサー利用なども検討したが、最終的にディープラーニングを用いた自然言語処理による方法に研究方針を変更した。ディープラーニングによる処理は多大な計算資源が必要なため、そちらとシステム構築費用に残額を利用する予定。
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