2018 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of interactive large scale Bayesian network estimation method and its application to biological data
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15K00402
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
竹中 要一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00324830)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生物情報学 / ベイジアンネットワーク / 変数選択 / 遺伝子制御ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
生物学の謎を遺伝子で解こうとすると,沢山の変数の影響を同時に考える必要がある.生物学の謎とは,遺伝子の利用場所と利用量を決めているシステムや,ある病気の原因となる遺伝子は何かを探る事である.変数の多さとは,例えば遺伝子の数や遺伝子の個人ごとの違いであるSNP(一塩基多型)の数が該当します.この変数間の因果関係をグラフ構造で表現する方法の一つがベイジアンネットワーク(BN)である.確率モデルであるBNは生物情報学に限定されない汎用性の高い方法でである.しかしBNには3つの弱点がある.一つは計算に時間がかかる事.インタラクティブ性がない事.そして同一変数にたいする異なる観測事例間の因果関係比較が困難な事である. 本年度の成果としては,1つ目の弱点である変数の多さを克服する一手法として,多変数小観測点数に特化した組合せ最適化問題解法の適用が有効である旨を,乳がんの原因遺伝子候補の絞り込み問題を例として用いた結果を公表した.実例を対象とした応用を組合せ最適化問題に落とし込んだ場合,最適化で表現できない現実との乖離が表出してくる.さらに,既知情報の事前取り込みと,事後のスクリーニングが必要となるため,最適解を一つ得るだけでは意味が薄い.これら観点より,最適解及び,局所最適解を網羅的に出力し,その解候補群をもとにコンセンサスを取る等の絞り込みをかける方法を考案した. また2つ目の弱点については,マウスにおける間葉系幹細胞から脂肪細胞,骨芽細胞への細胞分化を対象とし,時系列遺伝子発現プロファイルを入力とする因果関係比較について研究発表を行った. 研究期間全体を通じて実施した研究の成果として,上述した3つの問題を解決するための提案が行えた.特に因果関係比較については,同一変数に対する異なる観測事例に加え観測が時系列であるという条件を併せ持つデータに対する解析具体事例を提示できた事を挙げる.
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Research Products
(9 results)