2015 Fiscal Year Research-status Report
バイオイメージングデータの時空間解析のための情報処理技術の関発
Project/Area Number |
15K00403
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
瀬尾 茂人 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (30432462)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | バイオインフォマティクス / バイオイメージインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、機器制御の自動化やイメージング技術の発展により、培養細胞や生体環境のライブイメージングが可能となっている。一方で、様々な実験条件下で高並列かつ長時間に渡って撮影された大量の動画からは、人力によっては定量的・客観的な解析が困難である。本研究では、様々な条件下で経時観察されたバイオイメージングデータを入力とし、細胞の自動追跡というニーズが発生した際に、それに潜在的に付随する一連の時空間解析までをフレームワークとして提案する。このフレームワークは「細胞の位置の追跡と状態推定によるデータの構造化の方法」と「構造化されたデータの時空間解析の方法」からなるもので、細胞動態の時空間的な差異を可視化し、定量的に比較して有意差の検定を行い、また差異の要因を推定するための方法論を提供する。 本年度には主に次の2つの基盤技術についての研究開発を行った。1つは深層学習を用いた細胞の自動認識手法の開発である。従来の深層学習には多くの教師付きデータを必要としたが、本研究では別種のデータの認識について学習済みのネットワークを再利用し、比較的少数の訓練データから認識精度の高いモデルを構築することに成功した。もう一つは、最適化のアルゴリズムを用いた細胞追跡手法の開発である。従来のデータアソシエーションによるアプローチでは、追跡精度が細胞検出の精度に大きく依存する問題点があったため、本研究では、コンポーネントツリーと呼ばれるデータ構造を導入し、データアソシエーションと組み合わせることで最適な要素同士を繋げ、精度の良い細胞移動の軌跡を得ることのできる方法を開発した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りである。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通りに推進する。
|
Causes of Carryover |
旅費等の費用が別の財源から補助されたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した費用は、発表のための旅費や開発補助の謝金として利用し、研究を推進する。
|