2016 Fiscal Year Research-status Report
時間の経過に伴い変化する多数のビデオを合成配信可能なライブ中継システムの新規開発
Project/Area Number |
15K00427
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
橋本 浩二 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (80305309)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ライブ中継システム / 多元中継 / 遠隔AVミキサー |
Outline of Annual Research Achievements |
インターネットを利用したライブ中継実施の敷居が下がるに伴い,複数のビデオデータを扱う場合に必要となるミキシング機能の汎用化が望まれている.また,時間の経過と共に変化する多数のソースビデオをミキシングして中継するための機能も必要とされている.本研究では,時間に伴い変化する多数のソースビデオを容易にミキシングして中継するためのミキシング機能を,ネットワークのバックエンドで柔軟に構成できるライブ中継システムを新規に開発している. 平成28年度は,ネットワークのバックエンドで,複数の送信端末からのビデオストリームを入力として扱うためのプロトコルと遠隔操作用の機能を開発した.メッセージ通信機能には課題実施者が開発している通信システムの機能を用い,ミキサーの入力として複数のビデオストリームを扱うために必要な機能とメッセージを整理し,メッセージ通信に必要となる状態マシンを設計・実装した.平成27年度において策定したミキシング操作インターフェースを遠隔対応させることにより,複数の送信端末・中継端末・操作端末という構成の分散システムを構成することが可能となり,ミキシング処理後のビデオストリームを既存のライブ中継サービスへ転送することも実験的に可能となった.また,ミキサーの入力数が時間と共に変化することを想定し,送信端末をグループ化するためのソースビデオグループ構成プロトコルを設計・実装し,送信端末がビデオストリームの送信を開始した場合にミキサーの操作端末上で自動的にプレビューされる機能の実装を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,時間の経過に伴い変化する多数のビデを合成配信可能なライブ中継システムの開発を進めている.平成28年度の研究開発により,ビデオ撮影者に対しては,参加しているグループへ任意の時間にビデオストリームを送信することができる仕組みが実現された.一方,ミキサー操作者に対しては,自動的にプレビュー表示されるビデオを確認した上で,そのビデオをミキサーの入力とするかどうかを判断することができる仕組みが実現された. また,本研究開発におけるプロトタイプシステムは,地元の映像制作会社との協業により,岩手国体(本大会)におけるセーリング競技のパブリックビューイング用システムの一部として利用された.セーリング競技は比較的広範囲な海上で実施されるため,その競技の様子を近くで見るためには海上からのライブ映像が必要となる.その海上からの映像と,競技会場全体を俯瞰して見るための映像伝送部分に本プロトタイプシステムが適用された.システム全体は,既存の映像中継装置との組み合わせで実現されており,開発した機能全てが利用されたわけではないが,本研究開発を進める上では,実際に必要とされる機能の実現に向けた多くのフィードバックを受けることができた. さらに,本研究開発に関連した次世代型ライブ中継システム実現に向けた検討も企業との協業により進めている.一方,本研究開発における基本的な機能とその室内実験の結果をまとめた学術論文が採択された.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,オンデマンド型遠隔操作対応ミキサーと負荷分散の研究開発を進める.複数の操作端末それぞれが遠隔から各々別のミキシング操作をするためには,中継端末の中で複数のミキサーを動作させる必要がある.これまでに実現した機能に加え,(a) 送信端末からのビデオストリームを中継端末内の各ミキサープログラムに分配する機能と,(b) 各ミキサープログラムを操作している操作端末とのメッセージコネクションを管理する機能を実装する.一方,ミキシング処理は多くの計算機資源を必要とするため,(c) 必要なミキシング処理の負荷に応じてネットワークのバックエンドで複数の中継端末に処理を分散させる仕組みを設計・実装する.
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Research Products
(9 results)