2016 Fiscal Year Research-status Report
見えない構造を見るーオープンデータと機械学習によるネットワーク構造推定ー
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15K00433
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
佐藤 浩 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 准教授 (30295737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 佐織 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 教授 (00559239)
久保 正男 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 准教授 (30292048)
白川 智弘 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 助教 (60582905)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 複雑ネットワーク / ネットワーク分析 / 産業連関表 / 感染モデル / 中心性指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、全貌が分からない複雑なネットワークにおける未知のつながりを推定することで、ネットワークの構造を明らかにする手法の開発を目的としている。これが実現されれば、大規模ネットワークにおける脆弱性の分析や、既存のネットワークシステムをより効率的なネットワーク構造へと再構成することが可能になるなど、多くの成果が期待できる。 研究2年目となる平成28年度は、(1)対象ネットワークのさらなる分析、(2)新指標の提案による隠れた構造の抽出、(3)対象ネットワークの増加、を行った。 (1)については、国内産業ネットワークおよび国際産業ネットワークにおける脆弱性の分析を、各種ネットワーク指標を用いて行った。増幅性指数(Amplification Index)および 脆弱性指数(Vulnerability Index)という2つの指標により、他のノードに対し大きな影響を与えるノードや他のノードからの影響を大きく受けやすいノードなどを発見することができた。 (2)については、リーダーランク(LeaderRank) と呼ばれるネットワーク指標を応用した、影響性ランク(Impact Rank) および 感受性ランク(Susceptibility Rank)という2つの指標を開発し、産業ネットワークにおいて、明示されていない国家との相互作用ネットワークを導出する試みを行った。 (3)については、上記のネットワークだけでなく、ロボットの群れによる相互作用ネットワーク、また、自然言語における言語ネットワークなどを新たな研究対象として加えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要(2)で述べたように、本年度はネットワークに表されていない裏の構造を明示化させる手法を開発することができた。これは本研究の目標である、「見えない構造を見る」という課題に対する回答となる可能性があるたである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要(2)で述べた成果は、本研究の目標を達成するための重要な結果であるが、対象ネットワークが1種類であり、実データによる検証がまだ不十分である。研究実績の概要(3)で述べた、別のタイプのネットワークに対し、提案手法が有効であるかを検証するとともに、より汎用性の高い手法の開発を最終年度の方策とする。
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Causes of Carryover |
物品として電子計算機もしくはデータを購入する予定ではあったが、予算額では希望の性能および仕様を満たすものを購入することができなかったため、次年度の予算と合わせて改めて購入することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額と合わせ高性能な電子計算機もしくは検証用データの購入資金として使用する。
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