2016 Fiscal Year Research-status Report
医療サービス履歴からの個人状態の時間発展の推定とその応用
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15K00435
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関 庸一 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (90196949)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | データマイニング / ビッグデータ解析 / 自己組織化マップ / 最尤法 / 状態遷移 / 医療保険サービス / 特定健康診査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、実証研究のために昨年度整備したデータベースを拡張して解析を進めるとともに、従来取り組んできたSOMの拡張とその算法の検討を行なった。対象データとしては、大阪府和泉市における平成23年から平成26年までのデータを利用した。これは国民健康保険のレセプトデータから抽出された受療履歴、および、特定健康審査結果であり、大阪府和泉市および関連企業と共同で作成しつつあるデータである。月々の医療レセプト請求と、年に1度の特定健診結果の実施内容を個人IDで突合し、個人履歴データとしている。また、平行して実施される運動指導プログラム(運動教室)による介入実験データも、継続してデータ収集を進めている。予備解析の結果として、個人が年ごとに所属類型を遷移する人数や比率を明らかにしている。 SOMの拡張の検討としては、最尤基準を利用してノードの統合を可能とする自己組織化マップを検討した。この方法では、従来困難であった正規性を持たない確率モデルに従うデータに対しても類型化を適切に行うことが可能となる。また、最尤法を利用していることにより、各種の統計モデルをノードごとに用意する可能性をもっている。今後、この方法を用いて、類型間の遷移確率を説明し、類型の時間発展に関する確率モデルを検討する予定である。これにより、相対的に良好な類型に遷移する条件について、確率モデルに基づき要因を明らかにすることを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
時間発展の確率モデルの定式化として、状態遷移確率モデルとして定式化することを想定していたが、現状では状態数が多いため適切なモデル化が難しいことが分かった。今後、状態数の削減方法などに取り組み、モデル化を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は助成額を、データベースの拡張および、そのための計算機環境整備、調査および研究成果の発表のために用い、研究を推進する予定である。
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