2015 Fiscal Year Research-status Report
LinkedDataを基礎とした用例に基づくメタデータ語彙発見とスキーマ設計支援
Project/Area Number |
15K00444
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
永森 光晴 筑波大学, 図書館情報メディア系, 講師 (60272209)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メタデータ / メタデータスキーマ / セマンティックWeb / Linked Data / Linked Open Data |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今ではLinked Data が普及し,様々なメタデータがネットワーク上に公開されるようになってきた.Linked Dataではコミュニティの目的に特化したメタデータ語彙に加えて,メタデータの相互利用性を高めるためにDublin CoreやFOAFといった既存メタデータ語彙の再利用が積極的に行われている.しかしながら,公開されるメタデータの数が膨大となるにつれ,新規にメタデータを作成しようとするコミュニティが目的に合ったメタデータ語彙を効率よく発見し,より良いメタデータスキーマを設計するためには,メタデータ語彙に関する知識やメタデータスキーマ設計の経験が求められるようになってきた.しかしながら、多くの場合メタデータスキーマ設計者はコミュニティの扱う領域の専門家であって,メタデータ語彙やメタデータスキーマについての専門知識や設計に関する経験を持っているとは限らない.そのため現在のメタデータスキーマ設計は非常にコストのかかる作業となっている.そこで本研究では,Linked Dataを基礎とした用例を通じてメタデータスキーマに関する専門知識を補い,メタデータ語彙の発見とメタデータスキーマ設計支援環境の構築をおこなう。 平成27年度は、Linked Dataとして公開されているメタデータの収集・蓄積をおこない、実際に記述されたメタデータの中でのメタデータ語彙の利用状況と、記述されている値およびメタデータの構造についての分析調査をおこなった.そして,適切なメタデータ語彙を選択するために必要な用例の要求要件を検討した.そして、用例集のプロトタイプを作成し,その評価をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、目的としていた以下のポイントに重点を置いて、研究を進めることができた。
(1) Linked Data の収集・蓄積とメタデータ語彙利用状況の分析調査:Datahub(http://datahub.io/)を中心に国内国外を問わず,ネットワーク上に公開されている Linked Data の収集・蓄積をおこなった.そして,収集したメタデータの中でのメタデータ語彙利用状況と,記述されている値の分析調査をおこなった.分析には,Linked Open Vocabularies(http://lov.okfn.org/)やLOD Stats(http://stats.lod2.eu/)が公開するメタデータ語彙に関する統計データも利用した.分析は,メタデータ語彙が定義するプロパティとクラスに関してだけではなく,Dublin Core Description Set Profileに基づくメタデータの構造や記述制約も対象とした. (2) 適切なメタデータ語彙選択のために必要な用例の検討:筆者らがこれまでにおこなってきたメタデータスキーマ作成における知見に基づき,メタデータスキーマ設計において,メタデータに関する知識があまりない設計者が適切な語彙を選択するために有効な用例に必要な要求要件とその提示方法について検討をおこなった.用例の作成に当たっては,既存のコーパス設計や利用に関する知見を応用した. (3) 用例集プロトタイプの作成と評価:(1)と(2)に基づき、メタデータ語彙のプロパティを対象とした用例集のプロトタイプの作成をおこなった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度では,平成27年度での評価に基づき,用例集の改善と用例集を利用したメタデータスキーマ設計支援モデルの提案とそのシステムの実装をおこない,限定した利用者にシステムを公開する.平成29年度では,これまでの評価に基づいて,用例集とシステムの改善をおこない,用例集の公開と利用者を限定せずシステムを公開し運用する.平成28年度は、以下のポイントに重点を置いて研究を進める。
(1) メタデータ語彙選択のための用例集の改善:平成27年度での評価に基づき,用例集の改善を図る.また,継続的にLinked Dataの収集をおこない,用例集の拡大にも務める. (2) 用例集とメタデータスキーマレジストリを基礎したスキーマ設計支援モデルの提案:平成27年度での評価および上記(1)での改善に基づいた用例集と,筆者がこれまでに開発したメタデータスキーマレジストリMetaBridge(http://metabridge.jp/)を利用したメタデータスキーマ設計支援モデルの提案と,そのためのシステム構築をおこなう. (3) システムの評価:上記(1)と(2)において開発した用例集とシステムをインターネットに公開し,利用評価をおこなう.平成28年度は,まず限定された協力者に評価を依頼する.協力者は,これまでメタデータ基盤協議会(http://www.mi3.or.jp/)での議論に参加した国内の図書館・博物館・文書館と,Dublin Core Metadata Initiative に参加する海外の研究者を想定している.
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