2016 Fiscal Year Research-status Report
自由手書きされた重ね書き文字の分離と認識処理の実現
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15K00455
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
松尾 賢一 奈良工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (10259913)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 答案画像 / 支援システム / 採点記号パターン / 採点数字パターン / 文字認識 / 文字切り出し / 分離文字 |
Outline of Annual Research Achievements |
重ね書き文字は,文字同士の一部の文字線が互いに接触している文字,文字の上からさらに文字が書かれた文字,背景上パターンと文字パターンが融合された文字の呼称である. 本研究は,この「自由手書きされた重ね書き文字の分離と認識処理の実現」が目的である.この重ね書き文字に対する文字同士の分離と認識処理の実現に向けて,課題Ⅰとして,文字パターンと背景領域の分離と文字パターン切出し,課題Ⅱとして,文字パターンの文字同士の分離抽出【単一文字と重畳文字パターンの選別】,課題Ⅲとして,文字パターンの認識と非文字・誤分離パターンの棄却,に取り組んでいる.これらの課題に対する研究計画として,①模擬答案データセット構築ならびに辞書パターンの作成,②採点記号と数字の切出しと重ね書き文字を個別文字に分離させる手法の提案と性能評価,③分離した採点記号と部分点に対する認識性能評価と棄却判定の実現,④上記の成果を実装した「採点ミス発見システム」を開発と実用性の評価,を遂行中である.平成28年度までに,4つの研究計画の大まかな成果が得られ,④の「採点ミス発見システム」の前身ともいえる「採点ミス発見支援システム」のプロトタイプを開発した.このシステムにおいては,被験者2名に対する研究成果を得ていた.平成28年度においては,このシステムの汎用性向上のために,被験者やデータ収集のために被験者を10名に増やすとともに,処理の見直し等によるシステムの精度向上を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いままでのところ,当初計画していた計画課題について順調に進捗しているといえる.また,その研究成果についても口頭発表を実施していることから研究成果の面からも順調といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
現段階において,実用的な評価結果が得られているが,現在単一の採点記号における評価結果であることから,複数の採点記号の重なりなどを考慮した処理を追加することでさらなる実用性の向上を図っていく.特に,筆跡のデータを取得するために,これまでのオフライン方式に加え,採点風景を撮影してオンラインで筆跡を取得する処理を導入し,可能な限り正確な筆跡情報の取得に努める.次に得られた筆跡情報を元にして,重なったり接触したりして,認識処理が困難であった採点記号パターンを認識可能にする処理をシステム内に実装させる予定である.
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Causes of Carryover |
物品費については,システム開発段階であり,ハードウエア環境,ソフトウエア環境の構築を保留中である. 人件費についても,システム完成段階であることから,データ収集のよる謝金等を保留している.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ほぼ,昨年度にシステムのプロトタイプが完成したことから,ハードウエア環境,ソフトウエア環境の構築に入る.また,謝金については,重ね書きデータの収集を多人数に対してこれから実施していく.
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Research Products
(2 results)