2015 Fiscal Year Research-status Report
電子黒板とタブレット端末を利用した学習支援システムの構築
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15K00480
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮尾 秀俊 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (10239353)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ペンコンピュータ / 電子黒板 / 学習支援システム / 手書き文書の自動整形 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子黒板とタブレットを用いた学習システムを構築するために、平成27年度は、システムの入力画面構成・ユーザーインターフェース・データ表現法の考案、電子黒板とタブレット上での編集機能の考案と実装、電子黒板とタブレット間の通信方式の考案と実装、電子黒板の内容を加味したタブレット上でのノート内容整形手法の考案と実装について行った。システム入力画面では、文字筆記・図形筆記・編集・ページ切り替えボタンを配置し、さらにタブレット側では、電子黒板側の画面状況を表示するウィンドウを配置した。電子黒板側で筆記された情報(1ストロークを構成するサンプリング点の座標情報)や編集情報をTCP/IPでネットワーク接続された複数のタブレットにリアルタイム転送する。これにより、転送された情報からタブレット側でも電子黒板側の筆記情報を反映した表示を行えるようにした。また、編集機能として、移動・挿入・削除の機能を実現している。移動は、削除要素にペンで横線を引き、その後、表示される円を、移動する位置までペンでドラッグすることで実現した。挿入は、挿入箇所で、カタカナのハの字の筆記を行い、その後、挿入要素を筆記する。削除は、削除要素の上を二重の横線を引くことで実現した。このように、編集作業は、直観的なペンジェスチャによって機能するようにしている。一方、電子黒板側で筆記された情報とタブレット側で筆記された情報が、相互に衝突して、図形の重複表示が起こってしまう問題を回避する手法をいくつか実装した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に実施する予定であった、「手書き筆記データの収集」を行うことができなかったが、当初、平成28年度以降に実施する予定であった、「電子黒板とタブレット間の通信方式の考案と実装」や「電子黒板の内容を加味したタブレット上でのノート内容整形手法の考案と実装の一部」まで研究を実施することができた。よって、おおむね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、「データ収集」、「電子黒板の内容を加味したタブレット上でのノート内容整形手法の改良」、「ノートへの音声キャプションの付加とビデオ映像へのリンク生成手法の考案と実装」の観点から研究を推進していく予定である。その後、実装した学習システムを実際の教員・学生に試用してもらい、各種機能の使い勝手、精度等を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
当初、購入予定であった電子黒板は、発売時期が次年度に延期されてしまったために、次年度使用額が生じた。研究では、電子黒板を通常のタブレットPCで代用してシステム構築を行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は平成28年度請求額と合わせて、電子黒板の物品購入に使用するとともに、計画どおり、複数台のタブレットPCの購入、消耗品費、旅費等に使用する計画である。なお、現行、タブレットPCで代用していたシステムを、電子黒板を使用したシステムに変更する予定である。
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