2016 Fiscal Year Research-status Report
ユビキタス植生ハウスによる中学校技術分野の学習コンテンツ開発に関する研究
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15K00481
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡辺 健次 広島大学, 教育学研究科, 教授 (00220880)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教材開発 / 中学校技術分野 / 計測制御 / 植物育成 / 温度制御 / 湿度制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度中に実施できなかったユビキタス植生ハウスの開発について、まず研究を行った。平成27年度中に購入しておいたショーケース、ヒーター、加湿器、除湿器を、小型シングルボードコンピュータであるRapsberry Piから制御するシステムの開発に取りくんだ。機器の制御にソリッドステートリレーを用いて、Rapsberry PiのI/Oピンと接続して、制御を行うソフトウェアを開発した。 また、温湿度センサーをRapsberry Piに接続して、ショーケース内の温度と湿度の計測を機能、およびインターネット経由で遠隔地の気象情報(温度・湿度)を取得する機能を開発した。ショーケース内の温度と湿度を遠隔地の値に合わせるように機器を制御する機能を開発することで、ユビキタス植生ハウスとして機能するようになった。 開発したシステムを用いて、遠隔地の気象を再現したハウス内とハウス外(広島県東広島市)で同じ植物を栽培して、成長に差が出ることを確認する実験を行ったところ、顕著な差が見られたことで、教材としての有効性を確信することができた。 平成29年度にシステムを用いた授業実践を広島大学附属福山中・高等学校で行うことにし、技術科の教員と授業計画の打ち合わせを行い、年間の授業計画を建てた。指導計画では、中学校技術分野の4つの領域を学ぶことができるようになっており、本研究の目的を達成できるようになっている。 以上のように、平成28年度はおおむね順調に研究を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度中にユビキタス植生ハウスを開発する予定であったが、十分に実施することができず平成28年度にずれこんだものの、システムを開発することができ、授業実践の授業計画を建てるところまですすんだことで、研究はおおむね順調に推移していると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
実際の学校現場で授業実践を行うためには、1年間の指導計画の立案から指導案の作成、そして授業の実施のための準備と、事前に多くのことを行う必要がある。平成28年度に準備を終えることができたので、平成29年度は実際に1年間の授業実践を行い、中学校技術分野の4つの領域の教材として機能するかの評価を行う。 制御システムのクラウド化を行うことで、学校現場での利用し易さが向上すると考えている。そのため、このクラウド化についても平成29年度中に検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
ユビキタス植生ハウスの2、3台目を制作するために予算を確保していたが、制作を次年度(平成29年度)に行う授業実践の中で行うことにしたため、その分の予算が余ることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の授業実践では、予定より2台増やして、2、3、4、5台目の制作を中学校の生徒が授業で行うことになっており、完成後に行う植物栽培と合わせて、中学校技術分野の4つの領域の全てを学ぶ予定である。
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Research Products
(1 results)