2015 Fiscal Year Research-status Report
LTIを用いた大学向け教育支援サービスの開発と国際コミュニティへの展開
Project/Area Number |
15K00493
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
藤井 聡一朗 法政大学, 情報メディア教育研究センター, 助手 (30736111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 敏博 熊本大学, eラーニング推進機構, 教授 (20284739)
出口 大輔 名古屋大学, 情報連携統括本部, 准教授 (20437081)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 授業支援システム / LTI / オープンソースソフトウェア / 大学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はコースマネージメントシステム(以下,CMS)を拡張するための国際標準規格であるLearning Tools Interoperability(以下,LTI)を用いてCMSの備えた汎用的な機能だけでは実現できない個々の教育現場に特化した独自機能の開発を行いその成果を国内外のコミュニティへ展開するためのプロセスの実験と検証を行うことである. 2015年度は研究代表者の担当する授業内でオープンソースのCMSであるSakaiとLTI対応システムの連携の実証実験を実施しLTI連携の実用性について確認することができた.また,システムを利用した学生からのフィードバックを元にシステムやコンテンツの改良を行った. 8月に京都大学で開催されたJa Sakai アンカンファレンスには研究代表者と研究分担者らも参加し,参加者間で教育をテーマにしたディスカッションを行うとともに,研究分担者らとの本研究についての打ち合わせを実施し研究の進捗状況や今後の方針などについて協議した. 本研究で得られた途中成果については国内外のカンファレンスなどで発表を行った.国外では教育向けOSSコミュニティの年次大会であるOpen Apereo 2015 Conference(2015年6月)にて開発したシステムのデモを行った.国内では大学ICT推進協議会年次大会(2015年12月),Ja Sakaiカンファレンス(2016年3月)において現段階での成果報告を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度の計画として予定していたテスト環境の構築やシステムの開発,コンテンツの制作,授業内での実証実験を実施することができた.実証実験ではテスト環境で用意したシステムを支障なく運用することができ,CMSとLTI対応システムの連携の有用性を確認できた.また,システムを利用した学生から得たフィードバックを元にシステムやコンテンツの改良を行った.実験後にはシステムに関する学生へのアンケートを実施した.アンケート結果は肯定的なものが多く,ユーザからもシステムの有用性に関してポジティブな意見が得られた.今回実施した実証実験は学生の数が10名弱と小規模なものだったが,来年度には全学で利用している授業支援システムと連携した環境でのより大規模な実証実験を実施する予定である. 2016年度に予定している学外へのSoftware as a Service(以下,SaaS)形式でのLTI対応システムの提供準備に関してはAmazon Web Services(以下,AWS)の調査やシステムのDocker対応によるポータビリティの向上などの準備を進めている.AWSについては来年度から研究代表者の所属するセンターにて利用できる環境が整うことになったので,SaaS形式でのサービス公開はその環境を使って実現する予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
2016年度の主な予定はLTI対応システムのSaaS形式でのサービス提供と大学間連携の実証実験,2017年度に予定している国内外のコミュニティへの成果公開の準備である.当初予定していた実証実験の環境はテスト環境上に配備したSakaiとLTI対応システムを連携させたものだったが,法政大学の全学授業支援システムのLTI連携機能を利用することが可能になったので,全学授業支援システムとLTI対応システムを連携させた環境において前年度実施したものより大規模な実証実験を行う予定である.大学間の連携に関する実証実験についても研究分担者と十分なコミュニケーションを取りつつ当初の予定通り実施する.また,2017年度に予定している国内外のコミュニティへ向けた成果公開に関しては,システムやコンテンツの翻訳やGitHub上でのソースコードの公開などの準備を進めていく.研究の途中経過については前年度と同様に各種シンポジウムなどで共有する予定である.
|
Causes of Carryover |
未使用額が生じた主たる原因は,当初RAの雇用を予定していたコンテンツ開発を研究代表者の所属するセンターに配属されているRAに依頼したことにより人件費を削減できたことと,外部公開向けサーバとして契約を予定していたAWSが研究代表者の所属するセンター内で利用できるようになったためである.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
大学間連携の実証実験のための人件費やシステム開発のための設備備品費,外部公開に向けたシステムやコンテンツの翻訳費用などに充てる予定である.
|