2016 Fiscal Year Research-status Report
ユーザ間での合意形成過程解析による学習支援機能の実現
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15K00495
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉江 修 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 教授 (20200933)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 合意形成 / 教育支援 / 多人数インタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人(学習者)とロボットとが物理的に共存する空間内で学習支援が行われる環境を想定し、お互いの相互作用について設計、実装を行うことを目的に、認知空間共有という概念を提唱している。2年目となる2016年度は、第一に、ロボットによる音声認識、とくに我国での昨今の教育現場グローバル化を意識し、講師、学習者ともに英語を母国語 としない環境下で英語による学習が行われている場面を想定し、講師の音声をテキスト化し、学習者に教示する処理手法を提案した。学習のための背景知識を記したドキュメントの存在を仮定し、音声認識誤りの修正を、このドキュメントの関連部分を特定し参照することによって行う点が特徴である。第二に、講師からの一方的な知識の伝達ではなく、学習者どうしによる議論の過程を解析することにより、その収束状況を推定する手法について論じた。そこでは、各人による発話はすでにテキスト化されていることを前提としており、将来的には上記の音声認識手法と連携することが必要となる。また、議論の中でのトピックはひとつとし、複数のトピックが存在するような複雑な状況での処理は、次年度での課題とした。今年度の研究では、テキスト化された発言内容をベクトル化し、その乱雑さをエントロピーによって測ることにより議論の収束状況を推定するところに特徴がある。また、単一トピックのもとで、同意見をもつ(従来は、このトピックのもとで意見のグループ分けが2つの場合について扱っていたが、本研究ではこれを複数個に拡張した)グループを発見するアルゴリズムを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べた2点は、研究課題「ユーザ間での合意形成過程解析による学習支援機能の実現」において中心的な論点であり、これらについてロボットによる自動処理手法を提案できたことは、全体の進捗において大きな前進とみなせる。
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Strategy for Future Research Activity |
学習環境下で、人が行っている学習過程およびその支援過程を、多人数インタラクションの観点からロボットに実装する。また、最終年となる2017年度では、製造業におけるIoTビジネス発想のための講義(ワークショップ方式)を具体的に対象とし、これへの提案手法の適用を行い、評価する。
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Causes of Carryover |
予算執行上、少額の端数が発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度予算に組み入れて使用する。
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