2016 Fiscal Year Research-status Report
コンピュータ自動プレイ実験による大将棋類の質的類似度の評価
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15K00507
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| Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
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Principal Investigator |
佐々木 宣介 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (20326424)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 大将棋 / 自動プレイ / 獅子ルール / 中将棋 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には大将棋について計算機実験を行い、大将棋は中将棋よりも使用駒数が多いことなどからゲームの終了に要する時間が多く必要となること、獅子という駒に関する特殊ルールの影響は、中将棋に対する解析で得られた結果と同様の影響をゲームの性質に与えており、大将棋ならではの特別な特徴を見られないことなどを明らかにした。平成28年度には、これらの成果にさらに詳細な検討を加え、その結果を論文としてまとめて査読あり論文誌に1件の発表を行った。
ただし、前述の大将棋における分析は、強化学習の手法を使わず、駒価値の設定を手動で行った思考アルゴリズムのプログラムで自動プレイ実験を行って棋譜データを採取している。本研究の当初の計画では、思考アルゴリズムの評価要素の学習として、過去の実験で実施していたTD(Temporal Difference)学習法による学習の改善と、その他の教師なし学習法の適用の両面から学習手法の改善を目指すこととしていたが、使用駒数が多い大将棋では、実験に多くの時間を要することなどから、まだ十分な成果を上げるに至っていない。現時点では高速な演算が可能なGPUを用いるなどの学習の高速化に取り組んだうえで、あらためて学習手法の改善を目指している段階である。
その他の大将棋類の変種に対する計算機実験も開始しているが、こちらも現時点では強化学習の手法を用いずに手動で駒価値の設定を行った思考アルゴリズムで実験を行っている状況である。一定のデータを得た段階で、さらなる評価を進めていく予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大将棋に関する評価は一定のまとめと論文による発表も行っており、それ以外の大将棋類についても実験を継続中である。一方で、学習手法の改善については、まだ十分な成果を上げていない部分もある。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでに、大将棋に関する実験・解析においては、一定の成果をまとめることができた。現在、その他の大将棋類についても同様の計算機実験を実施している。ただ、現時点の実験では、大将棋における実験も含め、駒価値の設定を手動で行った思考アルゴリズムを用いている状況である。駒価値のような評価要素については手動で調整することも不可能ではないため、いくつかの大将棋類についての実験と評価は継続して実施していく予定である。その実験結果より、それぞれの変種の性質の違いについても明らかにしていく。
一方、当初計画では、TD学習法による学習の改善及び、他の教師なし学習の適用を行い、駒価値以外の評価要素も含めて自動的に学習を行い、これまでより強い思考アルゴリズムのプログラムを作成することを計画していた。この点については、現時点では有用な学習結果を得るに至っていない。ある程度強い思考アルゴリズムのプログラム同士による対戦データを取得することで、さらに信頼性の高い分析が可能と考えられるため、引き続き学習法の改善については実施していく予定である。今後は、計算機実験の高速化を図りつつ、改めて学習手法の改善を目指していく。
さらに、これらの計算機実験を通じて得られた結果を利用して、「変種間の類似度をあらわす数値的な評価尺度」についても検討を行っていく。本テーマで対象としている大将棋類の他、これまでに評価を行ってきた小将棋類のデータも含めて変種間の類似度を定量的に評価できるような評価尺度が導入できないか検討を行う。
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| Causes of Carryover |
日程の都合により、予定していた学会等への参加ができなかったものがあり、旅費については当初予定よりも少ない使用実績となった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
高速に計算機実験を行う計算機の機材および周辺機器に充当する予定である。
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