2016 Fiscal Year Research-status Report
衛星観測温室効果ガスデータの検証・補正手法の高度化に関する研究
Project/Area Number |
15K00531
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
森野 勇 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (90321827)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 幸生 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (00414392)
井上 誠 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00599095)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 温室効果ガス / 衛星観測 / データ検証 / データ補正 |
Outline of Annual Research Achievements |
衛星データの検証手法の検討として、衛星データと検証データの同期法の違いによる検証結果の比較を行った。異なる同期法による検証結果は大きく異ならないことが分かり、同じ空気塊であれば同期したデータセット数が最大となる同期法が最も良いことが分かった。 補正手法の改良では、全TCCONサイトを補正に使った場合、補正係数の決定精度が向上することも実証できた。2016年9月から一般公開が始まったXH2Oの補正を初めて試みた。最適な補正係数の選択には検討の余地があるものの、XCO2と同程度の数と精度の補正係数の決定をすることができた。 GOSAT データを用いた検証・補正法の改善の確認として、上記補正手法の改良結果を用いて補正を行った。全TCCONサイトを補正に使った場合、XCH4はXCO2と同じ数の補正係数で補正できるようになり、補正前後でGOSATデータのバイアスがこれまでの結果と異なり明瞭に改善できたことが分かった。XH2Oでも、補正前後でGOSATデータのバイアスが明瞭に改善することが確認できた。 GOSAT XH2Oによる補正は初めて行った暫定的結果であり、次年度は補正係数の選択の検討と補正の効果を確認する必要がある。XH2OはXCO2やXCH4と比較して、気象現象に大きく影響されるので変動が大きく、異なる視点で解析が必要である。しかしXH2Oが加わることにより、改善されたXCO2、XCH4、XH2Oデータを用いて時空間解析することにより、より踏み込んだ人為起源と自然起源との区別ができる可能性が出てきた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
衛星データの検証手法の検討は概ね順調に推移した。 補正手法の改良とGOSAT データを用いた検証・補正法の改善の確認では、XH2Oについて新たに実施したことが、予定以上に進捗した。 改善されたデータの詳細解析は、その次年度に実施することにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
XH2Oの補正手法の改良では補正係数の選択の最適化を行い、補正結果の再確認を行う。 改善されたXCO2、XCH4、XH2Oデータの時空間の詳細解析を行い、特異現象の検出を試みる。検出に成功した場合、因果関係の解明を試みる。
|
Causes of Carryover |
昨年度より次年度使用額は減少したが、研究の進捗が前後したため使用計画が変化して差額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は最終年度であるので、早期使用に心がけて、研究を進めて行きたい。
|
Research Products
(1 results)