2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K00541
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
唐田 清伸 名古屋大学, 環境医学研究所, 研究機関研究員 (90345017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻 朋男 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80508317)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 転写共役型ヌクレオチド除去修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
転写共役型ヌクレオチド除去修復では、アクティブに転写されている遺伝子のDNA損傷部位で停止したRNAポリメラーゼがシグナルとなって、CSA・CSB・UVSSAといった転写共役型ヌクレオチド除去修復に特異的な因子が集積して、その後NER複合体を損傷部位に呼び込むことで修復の主要反応が進行していく。しかしながらその過程において、CSA・CSB・UVSSAがどのような働きをしているのか詳細は不明である。本研究では、転写共役ヌクレオチド除去修復に関わる個々の因子を単離・精製して、生化学的解析からそれぞれの因子の働きを解析し、最終的にはin vitro転写・修復反応系を再構築する事でTC-NER反応機構の解明を目指している。 特に本年度はTC-NERに必須であるがその働き詳細が全く不明であるUVSSA の機能解明の手がかりとするために、結晶構造解析を目的としたUVSSAタンパク質の精製方法の改良を行なった。元々UVSSAは非常に不溶性であるために精製が困難であったが、これまでに大量に精製できる段階に至っていた。しかし結晶化のためには高濃度のタンパク質標品が必要であるところ、濃縮すると凝集してしまう等のため高濃度のUVSSAタンパク質標品が得られないという壁に直面していた。そこで精製方法を根本から見直してさらなる改良を加えて、数mg/mlという高濃度のUVSSAタンパク質を精製することに成功し結晶化スクリーニングを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
UVSSA の機能解明のために結晶化をめざしたUVSSAタンパク質の精製で、これまで到達できなかった高濃度のUVSSAタンパク質を精製することができ、タンパク質結晶化のスクリーニングの段階に入った。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きUVSSAタンパク質の結晶化スクリーニングを行なっていき、結晶が得られたらX線回折による構造解析をおこなう。 また、これまでに構築した蛍光物質修飾を組み入れたDNAプラスミドをテンプレートとして、HeLaの抽出液を用いてin vitroのTC-NER反応の再現を試みていく。
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Causes of Carryover |
UVSSAタンパク質の結晶構造解析のためのスクリーニングは共同研究を活用するなど、当初予定していたよりも安価に実施可能であったため研究費を次年度に繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
UVSSAを始めとするTC-NER関連タンパク質の精製やin vitroでのTC-NER反応の再現を行なうための消耗品費として使用する他、UVSSAタンパク質の結晶化に成功した場合はSpring-8などのX線照射施設の利用料等に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)