2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a sensor mouse model of DNA damage : next-generation DSB sensor mouse
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15K00549
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
小池 学 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 重粒子線治療研究部, 主幹研究員(定常) (70280740)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | DSB損傷 / センサーマウス / GFP / 修復蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞死、細胞老化、発ガン等の原因となるDNA二本鎖切断(DSB)はヒトを含む生物にとって最も危険なDNA損傷である。培養細胞の実験から、培養細胞では損傷直後からDSBセンサータンパク質がDSBを検知し修復を開始することが明らかになってきた。従って、DSBは生体内でも損傷直後から修復を開始されると予想されるが、生体内でDSBを検出する方法は確立されていない。哺乳動物のDSBは非相同末端結合(NHEJ)と相同組み換えの2つの修復機構で修復されると考えられているが、ヒトを含む哺乳動物の生体では主にNHEJ修復機構により修復されていると予想される。本研究では、生体で損傷直後からDSBを検出し解析するために、生体でリアルタイムに検出しトレースするための次世代DSBセンサーマウスを開発することを目指した。初年度はマウス個体の解析を行うための基礎実験を進めた。また、それまでに作出したGFP-XLFを安定発現するマウスの系統化と保存を行なう目的で、GFP-XLF発現♂とC57BL/6J♀マウスを交配し導入遺伝子が伝達されたGFP-XLF発現♂産仔の精子を凍結保存した。また体外受精を行い受精卵を凍結保存した。次年度以降はマウス個体での解析を行うための基礎実験を進めるとともにGFP-XLF発現マウスの解析を進め、マウス組織の中でDSBを誘導することに成功し、NHEJ修復機構で働くGFP-XLFが誘導したDSBに集積する様子の可視化に成功した。加えて、細胞内の構造をより詳細に検出するためのマウスを作出するために、赤色蛍光タンパク質DsRedを全身発現するマウスと交配し、産仔の中から2つの導入遺伝子を発現するマウスを得たので解析を進めた。以上、これまで解析ができなかった生体内DNA損傷修復に関する研究に本研究で作成したマウスは役立つと期待される。
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