2016 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
15K00562
|
|---|
| Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health,Japan |
|---|
Principal Investigator |
大谷 勝己 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 産業疫学研究グループ, 上席研究員 (50333373)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 健一 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 産業毒性・生体影響研究グループ, 主任研究員 (00332396)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2019-03-31
|
| Keywords | 雄性生殖毒性試験法 / 精子形態 / 精子代謝能 / 発色法 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
従来の精子数や精子運動能の測定を中心とする精子試験法では化学物質の雄性生殖毒性を評価するには限界があることから、主として精子ミトコンドリア代謝能や精子尾部の形態などに着目した新規の精子試験法を提案し、従来の精子試験法とも比較検討することにより、より簡便な試験法の確立、作用機序に応じた測定法の開発(精子運動持続性等の精子検査法の他、精巣毒性評価法も含む)、既存法の改良を通して、いままでには見いだせなかった化学物質の精子への作用の解明、および従来のガイドラインの変更ないし詳細化を最終目的とする。
初年度に1，2-ジクロロプロパン(DCP)を試験物質としてラットに投与し新規精子試験法WST-8法による精子代謝能測定法、精子尾部形態測定法が従来の雄性生殖毒性試験法である精子運動能や精子数解析では検出できない影響を検出できることを示した。
第2年度には、1-ブロモプロパン(1BP)および2-ブロモプロパン(2BP)を試験物質として同様の実験を行い新規精子試験法が従来法に劣らないことを示した。さらに新たに入手した30種類以上のテトラゾリウム塩をラットおよびマウスの精子浮遊液を用いて一斉にスクリーニングし、WST-8以外にWST-3, WST-5等細胞毒性試験では用いられていないテトラゾリウムでも精子では感度よく応答することが示された。また、マウスに重金属や有機溶剤を投与してCASA(従来の精子解析法)の画像を大量に保存した。適用外手法としてマウス精子尾部の形態解析を現在行っている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題の初年度は年度後半に追加で採択され、その結果、初年度は期間も短く（実質4か月）、マウスでの検討には至らなかった。第2年度にはマウスでの検討に着手し、尾部形態異常の判断基準の確立に時間がかかり、解析が遅れている。また予定していたテトラゾリウム塩のうち一部入手困難なものがあり、今後もスクリーニングをしなければならなくなったため。
|
| Strategy for Future Research Activity |
有用なテトラゾリウムの候補物質が見つかってきたので重金属や有機リン殺虫剤投与などによる応用段階に入り、次の試験法開発に着手予定である。またマウスにおける精子尾部形態解析を行う。さらに、化学物質による別に新たな精子形態解析法や精子機能解析法の開発を試みる。
|
| Causes of Carryover |
初年度の採択が10月過ぎであったため、十分な検討ができず、そのため￥900000中￥742180を2年度に繰り越すことになった。2年度は当初より急ピッチで実験を進めたが、￥1091055を使用したが、マウス解析法の確立が間に合わなかったため、入手困難なテトラゾリウムがあったことなどの理由により、繰り越さざるを得なくなったため。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
入手困難なテトラゾリウムおよび新規に入手可能となったテトラゾリウムの購入およびマウス精子形態解析法の確立のために繰り越し分を使用する。
|
