2017 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental research for development of new radioiodine collection and holding system using cyclic oligosaccharide
Project/Area Number |
15K00581
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
廣田 昌大 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 助教 (50443073)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射性ヨウ素 / 飛散 / 回収 / シクロデキストリン / 原発事故 / 拡散防止 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、活性炭に代わる新しい放射性ヨウ素回収・保持材の開発に向けて、環状オリゴ糖(シクロデキストリン:CD)の基本特性を解明することであり、平成29年度は「気体中に拡散したヨウ素の捕獲効果の検証」ついて研究を行った。 容積が204Lのグローブボックス内で、試料皿にNaI-131標準溶液と濃硝酸を滴下してI-131を気化させた。30分経過後に、蒸留水に水溶性α-CDを重量百分率が1%と10%となる様に投入したCD水溶液200mlを噴霧した。さらに30分経過後に、グローブボックスに接続したエアーポンプを用いて22L/minの流量でグローブボックス内の空気を30分間吸引するとともに、グローブボックスから流出した空気を活性炭フィルターに通すことによって空気中に含まれるI-131を捕集した。捕集終了後、活性炭フィルターをオートウェルγカウンタで測定した。比較のために、CD水溶液を噴霧せず、I-131を気化させてから60分後に、エアーポンプを用いてグローブボックス内の空気を吸引し、活性炭フィルター上にI-131を捕集する実験、及び水溶液のCD濃度が0%(蒸留水)を噴霧する同様の実験も行った。 この結果、水溶液を噴霧しなかった場合に、活性炭上に捕集されたI-131に対するカウントは315,500、蒸留水が噴霧された場合のカウントは308,600とほとんど変わらなかったのに対して、CD濃度が1%の水溶液が噴霧された場合のカウントは約2/3の205,000、10%の水溶液が噴霧された場合のカウントは約1/6の56,000と大きく低下した。CDを含んだ水溶液を噴霧することで、空気中に飛散した放射性ヨウ素を、回収することが出来る可能性があることが分かった。原発事故等で、放射性ヨウ素が大気中に漏洩しても、本成果を活用することで、広範囲への拡散を防止できる可能性があることが分かった。
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Research Products
(3 results)