2015 Fiscal Year Research-status Report
ナノチューブ電極を用いるCO2還元/H2生成セルの構築
Project/Area Number |
15K00602
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
金子 聡 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70281079)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 炭酸ガス / メタノール / 電気化学的還元 / 水素生成 / ナノチューブ / 酸化チタン |
Outline of Annual Research Achievements |
メタノール溶媒にCO2を吸収させ、銅電極を用いて高い電流効率でメタンやエチレンを生成させることが可能となりつつあるため、将来実用化できる可能性が大きいが、システムの実用化を鑑みると、エチレンやエタンなどの高次な炭化水素類をより高効率で得ることが必要である。 これまでのシステムでは金属電極を用いて還元を行ってきたため、今後はCO2還元やH2生成のための電極設計及び電極開発が、国内外のプラントメーカー・電力会社から求められてきている。したがって、CO2還元ための実用的な電気化学的還元セルの開発が必要である。現在、研究代表者は、アメリカCrittenden教授、ノルウェーSINTEF研究所のSen Mei博士、フランスGESEC R&D 社(半導体製造メーカー)のJ.C. Bourgoin博士との共同研究を行っており、この電気化学的還元セルの開発において、電子メール等で連絡を密にしていく予定である。本研究では、以下の図に示すような半導体ナノチューブ膜を電気化学的還元セルに組み入れ、CO2の新規反応セル、又はH2の光電気化学的生成セルを構築することが目的となっている。 本年度は、まず、光電気化学的還元セルの基礎的なデータを取得する。続いて、電極活性や電流効率に関するデータを得た後、スケールアップを念頭に置いて、開発したセルのCO2の光電気化学的還元とH2の光電気化学的生成に対して、還元セルシステムの最適化を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノチューブ電極を利用した、CO2の光電気化学的還元とH2の光電気化学的生成を行う光・電気化学的システムは、操作条件を制御することにより、CO2還元とH2生成に両方に用いることができる。したがって、そのままプラントに応用することができる可能性が大きい。本セル系は、本研究計画の完了によって、実用化にほぼ近い段階に達すると思われる。将来的に、フランスGESEC R&D 社により本CO2還元/H2生成セルを応用したミニプラントを試作する計画になっており、本システムの実用化はかなり近いと予想される。 本年度は、酸化チタンナノチューブを作製し、メタノール溶媒中の炭酸ガスの光電気化学的還元を進行させた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の成果の可否は、再現性の優れた炭酸ガス還元/水素生成用ナノチューブ電極を作製し、CO2還元とH2生成が高効率で可能なセルを構築できるかどうかがポイントになる。したがって、初年度はナノチューブの作成技術に力点を置き、ナノチューブの作製法を精密に制御する方法を開発したが、一応、作製した酸化チタンナノチューブアノードにより、メタノール溶媒中の炭酸ガスの光電気化学的還元を進行させることができたため、今後は、酸化チタンナノチューブの表面を金属修飾し、今後ナノチューブを高度化する。
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Causes of Carryover |
二酸化炭素の還元研究において、使用する材料の必要量が当初の計画より少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越し金額が少額である24,848円であったため、使用計画に変更はない。
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Research Products
(2 results)