再生可能エネルギーの化石燃料削減効果に関する研究－宮古島市を事例として－

2016 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K00644
• Research Institution: Doshisha University
• Principal Investigator: 石田 葉月 同志社大学, 経済学部, 教授 (20302309)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: エネルギー経済

Outline of Annual Research Achievements

本年度は，研究計画の２年目にあたり，エネルギーバランス表の作成に着手した．宮古島市における再生可能エネルギー普及への取り組みのうち，化石燃料削減効果が最も大きいと思われる風力及び太陽光発電について重点的に調査し，発電に係る石油のフローの把握に取り組んだ．調査は，市役所や電力会社，石油会社などへの聞き取りに基いて行い，発電に係る石油のフローについて詳しいデータを得ることができた．これにより，宮古島市における取り組みによる化石燃料削減効果がどれほどなのか，前年度よりも多くの知見を得るに至った．ただし，各方面から入手したデータについては，単位や年（度）の違いや，一部発電実績の不明確さがあるため，より正確なデータを得るために，あらためて関係各所への聞き取り調査を続行した．火力発電における発電実績と化石燃料消費実績は，言うまでもなく，宮古島市における再生可能エネルギーへの取り組みがどれだけ奏功したかを定量的に把握するために欠かせない情報である．宮古島市における火力発電は内燃機力（ガスタービン含む）によるものであり，そこでの燃料はA重油及びC重油である．本研究の分析をより正確に行うためには，発電機ごとの負荷率や熱効率を知ることが理想ではあるものの，そのような情報は電力会社にとっては機密情報であるため，利用可能な状況には至らなかった．ただし，電力会社には，基本的に，本研究の趣旨を理解して頂いており，でき得る限りの情報提供に応じて頂いているため，得られた情報からの推計によって，おおよその燃料消費の把握ができたものと思われる．

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

宮古島市における化石燃料フローに係るデータの収集作業が順調に進み，エネルギーバランス表の作成を進めることができたから．

Strategy for Future Research Activity

各関係主体への聞き取り調査に基いて得られたデータには，フォーマットの違いがみられたり，より細かい内訳が不明確だったりするため，データの精度や解像度を高めるため，今後も引き続き聞き取り調査を行う．同時に，バイオエタノールの生産・消費の実態調査もあわせて行う．