2017 Fiscal Year Research-status Report
アフリカの環境ガバナンスにおける国際環境NGOの役割に関する研究
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15K00651
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
西崎 伸子 福島大学, 行政政策学類, 教授 (40431647)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アフリカ / エチオピア / 国際環境NGO / 観光開発 / 野生動物保護地域 / 資源利用 / 国立公園 / 住民参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,公共性の高い自然保全地域(国立公園等)の民営化が世界中で急速に広まっていることをうけ,とくにアフリカ諸国における国立公園等管理の民営化に伴う国際環境 NGO の資源管理に果たす役割の増大に着目し,1)環境政策における国際環境 NGO の役割の変遷を明らかにすること,2)フィールド(エチオピア)における地域社会への影響の実態把握,3)1)2)よりアフリカにおける自然保全地域管理の多様な担い手を整理し,自然資源管理のガバナンスを再検討することを目指している。
本年(平成29年度)は,平成28年度に実施した文献調査およびフィールドワークで得たデータを整理し分析をおこなった。また,エチオピアでの現地調査をおこない,アフリカ諸国におけるエチオピアにおける国際環境NGOの活動の実績を整理した。エチオピア国内の国際NGOの活動が近年厳しく監視・制限されているが,環境分野に関しては,国際NGOとの協働プロジェクトが数例みられること,中央政府との緊密な連携でプロジェクトが進められていることなど,近年の動向を把握できた。
これらの成果は,平成30年5月にマックスプランク研究所(ドイツ)で開催予定の国際ワークショップ“Transformations and visions: Responses, alternatives and resistances to large-scale land deals in the Global South”等で発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は,前年度までのデータを整理・分析し,それに基づいて本格的な調査をおこなうことができた。また,野生生物と社会学会において,テーマセッションを企画し,成果報告をおこなった。 しかし,エチオピア連邦民主共和国の大統領が,平成29年2月に突然退任し,政府が緊急事態宣言を発令したため,国内での陸路の移動が制限され,また,新首長任命までの空白区間に国内情勢が極めて悪化し,予定していた現地調査をすべて順調には遂行できなかった。このような状況が今後も継続すると予測される。エチオピアでの調査の続行が難しくなった場合は,南アフリカでのプライベート・コンサベーション・エリアの比較データを収集する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度には,これまでに収集したデータに基づいて,以下のような追加調査をおこない,研究成果の発表を国内外で随時おこなう。 (1)平成30年5月マックスプランク研究所(ドイツ)で開催される国際ワークショップで研究成果を報告する。 (2)平成30年9月~10月エチオピアの国際環境NGOの動向について追加の現地調査をおこなう。 (3)平成31年2月インドで開催される二国間国際交流事業による国際シンポジウムで国立公園の管理とツーリズムビジネスを関連づけた成果報告をおこなう。 (4)野生動物と社会学会等の学術誌に研究成果の論文を投稿する。
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Causes of Carryover |
現地調査を実施する予定であった平成30年2月に,エチオピアの首長が突然退任し,治安維持のために緊急事態宣言が出されたため、現地調査の予定を急遽短縮し、調査地を変更する必要があった。当初見積もっていた旅費(レンタカー代を含む)に変更が生じたために、次年度使用額が生じた。 次年度の研究計画では、成果報告のための海外渡航およびやアフリカでの現地調査をおこなうう。「次年度使用額」はそれらに活用する。
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