2016 Fiscal Year Research-status Report
福島事故後の原子力安全規制の国際比較-指標と新たな環境政策の可能性-
Project/Area Number |
15K00665
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
勝田 忠広 明治大学, 法学部, 専任准教授 (80552463)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 核燃料サイクル / 福島第一原子力発電所事故 / 新規制基準 / 再処理 / プルトニウム |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の活動を行った。 1. 国際原子力機関IAEAによる日本への総合規制評価サービスIRRS報告を参考に、検査制度の在り方について米国の現状や歴史的背景を調査し、国内への適用の可能性を求めた。結果は2016年9月9日の日本原子力学会のセッション企画において「IAEA IRRS(日本への総合規制評価サービス)ミッション報告を受けた対応について(2)新たな検査制度 ―課題と展望―」として報告した 。また原子力規制委員会における検討チームのメンバーや原子炉安全専門審査会等の委員として参加し、具体的な実務上の課題について議論を行った。 2. 2016年7月25日~29日、国際会議 INMM第57回会議に参加し、研究発表を行った ( タイトル:Have the safety regulators of Japan’s Rokkasho Reprocessing Plant learned the lessons of the Fukushima Accident?―Assessment of the new regulatory standards and safety countermeasures―)。 日本国内からの発表者は少なく、また発表内容が新しく国内の安全性だけでなく国際的な核拡散問題にも波及するため、多くの関心を得た。 3. その他として、例えば原発再稼働にともない各地で行われている住民による差し止め訴訟や核燃料サイクル政策の是非について報道機関へコメントを行った。また欧州等の世界の研究者達によるプロジェクトWorld Nuclear Industry Status Report 2016の中で、福島事故の最新動向について研究成果を示した。また2016年3月には早稲田大学において核燃料サイクル・原子力政策について発表を行い、福島県の被災者の人々と意見交換を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば欧州、主としてドイツの安全規制の状況を現地する予定であったが、予算や時間の都合で出来なかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
欧州調査について、文献調査やメール・スカイプによる調査で補うことが可能か再度検討する。 日本の原子力安全規制に足りない情報は集約しつつあり、現在、その一つの成果として論文を執筆中であり、完成を目指す。また一般向け書籍も執筆中である。
|
Causes of Carryover |
海外調査について予定が変更になったため、使用額に変更が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外調査で予定していた内容について、スカイプやメールを通じて情報収集と分析を行う。その結果、必要に応じて再度海外調査の検討を行う。
|
Research Products
(4 results)