2015 Fiscal Year Research-status Report
クリーン開発メカニズムの経験に基づく国際協力による温暖化対策の環境経済影響評価
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15K00669
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
羅 星仁 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (00342311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健一 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教 (00534570)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 持続可能な発展 / 地球温暖化対策 / 東アジアの国際協力 / クリーン開発メカニズム / エネルギー政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は既存の文献及びヒアリング調査を通じて、「CDMプロジェクトのSDインパクトの評価基準」を策定し、持続可能な発展に貢献したプロジェクトをリストアップすることを目的とした。そのため、本年は東アジア(主に日本、韓国、中国)における環境およびエネルギー政策に関する文献調査および分析を行い、その成果を発表した。また、カーボンリーケージ(炭素の漏れ)と国際競争力に関する分析も行い、同地域における国際協力の可能性を考察した。 日本においては、既存のCDMプロジェクトだけでなく、二国間クレジット制度や国内における温暖化対策などに関する最新の情報を収集した。中国及び韓国においては、CDMプロジェクトの承認基準、発展の状況を考慮した国家政策及び持続可能な発展の観点からの優先事業の選定、実施されたCDM事業のパフォーマンスの評価などに関する最新の情報を収集した。また、対象国における2020年以降の排出削減目標や国際的な新しい枠組みの議論の動向に関する最新の情報を収集した。 本年は、2015年12月にパリで開かれたCOP21の結果を踏まえながら、持続可能な発展に貢献できるような温室効果ガス削減プログラムを設計・デザインし、その経済・環境への影響を分析する予定である。世界最大の温室効果ガス排出国である中国を含む東アジア地域おける国際協力を通じた温室効果ガス排出の削減は喫緊の課題である。このことからも持続的に温室効果ガス削減が可能な新たな国際協力メカニズムを域内で構築することは学術的に大きな意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年は研究機関の1年目であり、研究計画の通りに文献収集などを行い、その一部に関しては成果も出していることから、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2~3年目は、「日本・中国・韓国における温室効果ガス削減プロジェクトの影響分析」を行う。まずは、プロジェクトベースの温暖化対策の影響を分析するためのCGE(CGE-CDMモデル)を構築したうえで排出削減目標に関するいくつかのシナリオを設定し、分析を行う。さらに、CGEと同様に多国間の政策シミュレーションが可能な国際的マクロ計量モデルであるCambridge Econometricsの E3MEモデルをベースにしたE3ME-CDMモデル(CDM分析用E3ME)を構築し、CGE-CDMモデルと比較分析する。
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Causes of Carryover |
1年目は海外研究協力者と共同調査を行う予定であったが、国内における調査を中心に研究を行ったことと計算ソフウェア(GAMS)を購入しなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外(主に中国と韓国)における文献調査およびヒアリング調査を積極的に行う予定である。
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Research Products
(3 results)