2017 Fiscal Year Annual Research Report
Structural change of international recyclables trade after 2010
Project/Area Number |
15K00670
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 洋次 福岡工業大学, 社会環境学部, 准教授 (10725716)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 再生資源貿易 / リサイクル / 中国 / 素材産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度である本年度は、これまでに整理してきたU.N. Comtradeの再生資源輸出入統計に新たなデータを補充して経年変化を補足した。そして,UNIDO,Industrial Statisticsや主要国の現地統計を使って貿易構造の変化を生み出す背景について研究を進めた。さらに中国での資料調査を行い、それらの研究成果を「世界の再生資源貿易の構造変化」、および「中国の「海外ゴミの輸入禁止と固形廃棄物の輸入管理制度改革の実施計画」をめぐって」としてまとめた。 「世界の再生資源貿易の構造変化」では、世界の再生資源貿易は,世界最大の再生資源輸入国である中国の輸入が2010年以降減少に転じたことを背景に、世界の再生資源の貿易構造が大きく変化しており、中国の再生資源輸入減少の背景を分析した。中国の再生資源輸入の減少は,中国経済の発展による必然的な変化であり,国際的な再生資源循環が今後も中国の再生資源輸入を前提に持続するかどうかは再考する必要がある。 さらに,研究成果の取りまとめている最中の2017年夏に、中国が「海外ごみの輸入禁止と固形廃棄物の輸入管理制度改革の実施計画」を発表し,再生資源輸入政策を大きく転換させた。そこで「中国の「海外ゴミの輸入禁止と固形廃棄物の輸入管理制度改革の実施計画」をめぐって」において、中国の再生資源輸入政策の概要とその影響を分析した。中国の固形廃棄物の輸入は深刻な環境汚染や健康被害をもたしているが、今後,中国が「計画」策定を迫られる事態を招いた廃棄物密輸を抑止し,違法で環境破壊的なリサイクルを是正する取り組みと同時に,輸出国側でも不正輸出を防ぐことができるされる仕組みづくりが必要であり,国際的な協力の中で実現する努力が求められていることを指摘した。
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