2015 Fiscal Year Research-status Report
野菜を育てる・食べる楽しみを提供する高齢者施設向け植物工場の開発
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15K00679
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今泉 博子 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20746656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 寛道 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30361413)
高垣 美智子 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (00206715)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 植物工場 / 被災地支援 / 高齢者 / 展示 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は対象とする仮設住宅等において、植物工場の栽培方法および植物工場活用の提案を行った。より簡単に、誰でも栽培に取り組むことができ、誰でも植物工場を活用できる状況づくりを行うことで、高齢者にも利用できる植物工場のあり方を模索した。 (1)植物工場の栽培方法の改良:柳生サロンにおける植物工場の灌水システムを開発した底面灌水ユニットに変更した。これにより灌水忘れによる枯れを防ぐことができた。また、これまで高齢者に難しかった播種について、栽培カップ、ネオコールを培地とし、コート種子を用いた栽培方法に変更した。コーティングされた大きな種を指でつまんで播種することができ、誰でも簡単に播種できるようになった。また、これまで廃棄していた培地を洗浄して繰り返し利用できるようになった。 (2)植物工場活用方法の整理: 2013年から柳生サロンで行ってきた植物工場の植物を活用したイベント内容を振り返り、活用方法を記した冊子を作成した。冊子を読むことで誰でもイベントを開催できるような内容に仕上げた。柳生サロン利用者、支援員に配布し、自主的な植物工場利用を促した。 (3)植物工場における手芸品展示:柳生サロン利用者やその近辺に住む高齢者は手芸品づくりを趣味とする人が多い。高齢者施設内でも利用者が作った手芸品が飾られていることはしばしばある。この特徴を活かして、より多くの高齢者に植物への興味を持ってもらうため、植物工場の照明を活かしながら手芸品展示を行うことを提案した。9月、11月にコミュニティ施設にて手芸品を飾りつけた植物工場を展示し、出展者および来訪者より好評を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者の特性に合わせた植物工場の改良および植物工場の利用促進方法の改善を、複数試し、その効果を検証することができた。初年度の計画目標はおおむね順調に達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)植物サポーターによる自主的な活動への移行 大学側がイベントとして開催し、栽培や活用を促して一緒に活動することはできたが、その場に住む人々が自主的に活動を起こすことはまだ難しい状態である。そこで、各所にいる支援員やリーダー格となる住民に対し、栽培や活動を促進できる技術を受け継ぎ、活動を促進していくことができるようにする。こうした「植物サポーター」とも言える立場を増やし、現地での自主的な活動に移行していくことが今後の課題となる。名取市にて新しく「駅前サロン」というコミュニティ施設が設立したため、ここも対象地にしながら方法を模索する。 (2)植物の栽培から活用までの植物工場利用計画の策定 次にどのような活用をして楽しむかということについて、経験のない人が計画することは難しいということがわかった。そこで、どのようなイベントを催していけばよいかということについて、年間の利用計画を提案する。特に植松入生仮設住宅と宮城県農業高校の交流について、現地住民のみで植物工場を活用できるよう試行錯誤する。
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Research Products
(1 results)