2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on cooking support tool fo the elderly living by Rapid Ethnography
Project/Area Number |
15K00686
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
櫛 勝彦 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (30324726)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プロダクトデザイン / デザイン方法論 / ラピッドエスノグラフィー / 高齢者活動 / 調理活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の生活において活気ある日常の維持を目的として、単調になりがちな毎日に、軽作業の導入によってリズムと社会的コミュニケーションを取り戻すことができるという仮説にもとづき、本研究は、特に、調理に関わる高齢者の状況調査とデザイン開発を行った。 最終年2019年度は、2017年度成果の「高齢者の自助生活のためのカレンダー・システム」を、2018年度におけるカナダでの先端事情調査および米国IDEO社Food Designグループとの研究交流でのフィードバック、さらに料理療法研究グループとの交流を通した知見をもとに、更なる展開と試作精度の向上を行った。試作においては、光硬化型3Dプリンターの導入を行うことで、より精度の高いプロトタイプを短時間で制作することが出来ることとなった。2017年度においては、カレンダーシステムの主にソフトウエア部分についての試作検証を行ったが、2019年度では、システムを構成する各端末のハードウエア・デザインを主に検討し、上記3Dプリンターの活用による試作検証を主に行った。 これと並行して、大阪府豊中市の住居型高齢者施設で行われている「出張カフェ」活動を観察し、それらのプロセスをビデオ記録した。そのビデオデータは、本務の京都工芸繊維大学大学院デザイン学専攻での授業「共創デザインアプローチ」、そして、金沢美術工芸大学での大学院授業「デザイン研究計画特論」での演習課題として活用し、高齢者施設内での日常での娯楽の生成、特に高齢者の活動への能動的関わりについての問題発見とデザイン提案を大学院学生と行った。特に、それら成果は、出張カフェ主催者を授業に招聘することで共有した。 本研究でのデザイン開発と検証は限定的であり、社会実装化までの道のりは遠いと言わざるを得ない。今後も、料理療法研究グループなどと連携し、具体的な社会貢献にいたる活動を行いたい。
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