2016 Fiscal Year Research-status Report
地域の精密な環境情報を使用したデータビジュアライズの公共空間への応用
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15K00688
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
石田 勝也 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (80588468)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 環境データ / メディアアート / パブリックスペース / サウンドアンドビジュアル |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、表現活動を行う上でテクノロジーを使用する作品作りは、メディアアートという分野として認知が進み、一般の人々にも様々な場面で触れることが出来るようになった。また様々な現象のデータを美しくかつわかりやすく認知させるためのデータビジュアライゼーションは科学とデザインの接点として年々その重要性が認識されてきている。 本研究では札幌市全10区の任意の地点における環境情報(音、温湿度、光等)をサウンディング、ビジュアライズし、札幌市中心部地下歩行空間のメディアゾーンにおいて公開する。これはデータビジュアライゼーション、メディアアートの技術を使用し、公共空間における環境情報の提供をよりわかりやすく、楽しめるものとしての表現を研究するものである。 昨年度までの実績としては、当初WIFIを使用して取得した環境データを送受信することを予定していたシステムを、研究をすすめる中で近年サブギガ帯無線として注目されている920Mhz帯を使用することに変更し、通信費などのコスト削減に取り組んでいる。 また、通信可能なセンサーボックスを使用したアート作品へのデータ提供も進んでおり、より精緻に取得された環境データのさらなる使用方法に取り組んでいる。具体的には、本年度開催される札幌国際芸術祭の参加アーティストである音楽家、大黒淳一氏の作品において本研究で開発されたセンサーボックスから取得したデータをモエレ沼公園で展示する作品に使用することが進められている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
環境センサーを組み込んだセンサーボックスのプロトタイプを20個制作。各ボックスで取得されたデータを通信によって統合し、オンライン上のアーカイブシステムに蓄積、データベース化するところまで完成した。特に大きく進展した部分は当初WIFIを使用してデータの送信を検討していたシステムを、2012年より使用が可能となった920MhzのISMバンド(サブギガ帯無線)を通信に使用することに変更し、更に安価なデータの送受信が可能としたところである。これにより、センサーボックスのシステムが非常にコンパクトになり、バッテリーの持ちも良くなった。 また、ソーラーパネルによるバッテリー充電のシステムも確立し、電源の必要のないスタンドアローンでのセンサーボックスの稼働を実現化している。
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Strategy for Future Research Activity |
現状20個の制作にとどまっているセンサーボックスの製作をさらに進め、計画通りのボックスの数量を完成させる。またそのセンサーボックスがすべての季節に対応可能な耐久性をもつよう開発をすすめる。一方で制作が完了したセンサーボックスの設置を勧め、通信の状況の地理的な問題点を探る。建造物や地形などによって通信電波の取得に不具合が生じる事があり、そのような通信における個々の問題の解決を行う必要がある。 また、通信システムによってアーカイブ化された環境データを適正にサウンド&ビジュアル化していくプログラミングを並行して進めている。その結果パブリックスペースに有効なサウンドアンドビジュアル作品がどのようなものなのか?その効果の検証とさらなるプログラミングの検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
環境センサーボックスの作成が遅れており、その分の支出がなかったこと。また、通信機材の仕様が変更になったため、通信費が不必要になったこと。また、アーカイブ化のシステム開発を行った際にかかった業務費を支出していないため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アーカイブシステムの開発費及びセンサーボックスの基板等物品の購入をすすめる。また、サウンドアンドビジュアル化において必要な機材の購入に当てる。
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