2016 Fiscal Year Research-status Report
バリアフリー社会における音環境デザインに関する総合的研究
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15K00700
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
土田 義郎 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (20227424)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 音環境 / バリアフリー / 音サイン |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚障がい者にとって環境音や空間の響きは、場の状況を示す情報源という面を持っている。また、音響福祉機器からのサイン音も大切な情報源である。一方で、晴眼者による苦情から音響福祉機器の音が聞こえなくされていることがある。本研究では、音環境におけるバリアフリーという社会性の高い環境デザインをテーマとして、晴眼者と視覚障がい者の要求の対立を解消し、両者の共存を図るうえで必要な視点を導き出すことを主たる目的としている。具体的な目標課題としては、(1) 音響福祉機器に対する認識調査、(2) 環境調和型サイン音の提案、(3) 明瞭度の高い空間設計手法のための資料整備、を掲げている。 平成28年度までの成果としては以下のようにまとめられる。 (1) 音響福祉機器に対する認識の解明: 27年度までに音響福祉機器の種類・場所・設置状況をマッピングできるタブレットのアプリを開発した。これを活用し、いくつか試験的に活用した事例を蓄えたところである。これらについては、日本音響学会や、日本騒音制御工学会などで公表している。 (2) 環境調和型サイン音の提案: 27年度には基礎的な実験として広帯域ノイズによって聞き取り可能な周波数領域につい被験者実験を行った。28年度は純音を和音として用いた場合の被験者実験を実施した。これらの結果から、周波数が低すぎると音色の変化がわかりにくくなり、高すぎると回折効果が得られにくいため領域性を感じにくいことが判明している。これらについては日本福祉のまちづくり学会などで公表してきた。 (3) 明瞭度の高い空間設計手法のための資料整備: 平成28年度までにSN比を指標とした設計者に理解しやすい設計指標を提案している。現在はこれをよりリファインして、図表として設計の現場に活用できるような提案の準備を行いつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
音や装置の所在をマッピングするアプリの活用については、ある程度データの蓄積ができている。環境調和型音サインの概念の提案を行い、基礎的な実験を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 音響福祉機器に対する認識の解明: アプリを活用した調査を具体的なフィールドを金沢駅周辺以外(例えば観光地)にも展開する。これについては連携研究者の協力を要請する予定である。ただし、連携研究者が現在海外での在外研究機関にあるため、当初のアプリに頼らない方法も検討する。 (2) 環境調和型サイン音の提案: 環境調和型音サインのより実際的なことを考えた実験を行う。音の種類について多様なものを提案して行くことになる。これについては継続的に研究室で実験を行っており、学部生や大学院生の研究テーマとして設定しているので、順調な進捗が期待できる。 (3) 明瞭度の高い空間設計手法のための資料整備: 日本建築学会環境バリアフリー委員会では、環境工学的な知見をバリアフリー設計に生かしてゆくための方策を検討し、それを書籍化する計画を立てている。この委員会活動をてこにして資料整備を推進させる予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度中に国際学会での海外旅費の処理(証憑の確認の遅れのため)ができず、その分が約30万円ほどとなった。その他は、人件費や消耗品費の実費に差が生じたため、やや残額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費の未処理分については繰り越しての処理を行う予定にしている。その他の残額については今年度の研究において有効に活用する。
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Research Products
(8 results)