2016 Fiscal Year Research-status Report
院内助産システムにおける妊産褥婦ケア環境の改善に向けた空間デザインのあり方
Project/Area Number |
15K00712
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
西山 紀子 畿央大学, 健康科学部, 教授 (40509626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 俊子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (00232992)
松本 正富 京都橘大学, 現代ビジネス学部, 教授 (20341159)
鈴木 克彦 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (10115983)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 院内助産システム / 助産外来 / 院内助産 / 環境整備 / 助産師 / 妊産婦 |
Outline of Annual Research Achievements |
院内助産システムにおいて妊娠、分娩、産褥各期に使用する諸室をとりあげ、居住環境に対する妊産婦と助産師の評価の違いや、居住環境と業務環境に対する助産師の評価の違いを把握すること、およびシステムによる妊産婦ケアに向けた環境整備の要件を把握することを目的として研究を行った。医療施設でアンケート調査を実施し、妊産婦と助産師双方から得た各室の環境評価を考察した。結果は以下の通りである。 1)満足度は、各室とも妊産婦が高く、比して助産師が低い傾向にあり、特に助産師は1床入院室のようなプライバシーが守られた空間の重要性を強く認識していることを把握した。2)妊産婦と助産師の居住環境評価、助産師の業務環境評価のどれにおいても、広さ、室内環境、インテリアエレメント、空間イメージ、空間利用の5種の環境整備項目が各室の満足度に関連していることを明らかにした。3)各室の満足度に対する環境整備の影響度を明らかにし、快適居住と、助産、看護、医療作業にそれぞれ必要とされている整備内容や、満足度の高さの要因、対して満足度向上に向けた改善点を把握した。4)妊産婦と助産師の、および、居住環境と業務環境の満足度に対する各環境整備の影響度の違いから、サービスの受給側、提供側双方が満足いく環境とする整備が難しいとされている現状を把握した。5)システムによる妊産婦ケアに向けた環境整備に資する統合的概念を把握し、これについての妊産婦と助産師の認識の違いや、居住環境と業務環境に対する助産師の認識の違いを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
院内助産システムにおける妊産婦ケア空間の環境整備に対する満足度や要件を、妊産婦と助産師の認識の違いをふまえて把握することができており、論文にまとめて日本建築学会にまもなく投稿することができることによる。
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Strategy for Future Research Activity |
より細やかな視点からデザイン計画を提案するための調査を、院内助産システムによる助産、看護に従事している助産師や、産科医師からアドバイスを得るなどし、研究倫理に沿って綿密に計画する。また正確な分析を行うに足るデータ数を確保するため、協力依頼は看護学部教員と連携して行う。
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Causes of Carryover |
1)本年度実施の調査は数少なく、調査票作成にかかる物品費、実施のため現地に赴く旅費、調査協力に対する謝金の発生がなかった。 2)特に下半期は論文作成に集中しており、学会参加が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)パソコン、およびその周辺機器の整備と分析ツールの拡充に使用する。 2)カナダでの国際学会に参加予定であり、その旅費に使用する。 3)国内外の先駆的施設を視察する予定であり、その旅費に使用する。
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Research Products
(2 results)