2015 Fiscal Year Research-status Report
生きる力を醸成する12ヶ月生活改善のための教育プログラム
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15K00716
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
岡田 みゆき 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (90325308)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生活改善 / 家庭科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大学生の健全な生活観を育成すること、自立した生活を確立させることを目的に生活改善プログラムを開発・試行し、最終的には、自分自身の力でこの生活改善プログラムが実行できるような普及啓発資料を作成・配布することを通して、生活の重要性を広く社会に啓蒙することである。そのために、今年度は具体的に3つの計画を実施した。 一つ目は生活改善プログラムの開発である。家庭科の教科書並びに資料を参考に、家庭科の全領域、12項目から構成された1年間のプログラムを開発した。大学生に規則正しい日常生活を送ることの大切さを実感させ、社会人としての望ましい生活態度を育てるために、適切なプログラムの内容であったと考える。 二つ目は被験者の募集である。ホームページを立ち上げるとともに、チラシを作成し、協力していただいた10大学の生協、キャリヤセンター、学生会館などに置いてもらい、被験者を募った。 三つ目はプログラムの施行である。被験者には、添付メールで課題と報告書の書式を送付し、月の終わりに提出してもらった。また、プログラムが継続できるように、アドバイスや励ましの言葉を各被験者に対して送った。被験者の報告書からは、プログラムの有効性や修正点などを得ることができた。なお、プログラムの結果については、ホームページ上に「参加者の声」として、匿名で毎月掲載し、他の被験者の活動を知ることができるように配慮した。さらに、普及啓発資料を作成するために、デザイナーと打ち合わせを重ね、ノートの形式や内容、大まかなデザインについて決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの研究実施計画の順に、それぞれに関する達成度について報告する。 生活改善プログラムは、家庭科の全領域の内容である衣生活、食生活、住生活、家族・家庭生活、消費生活、環境を網羅し、基本的な生活習慣が確立できるようにした。まだ、多少の修正点はあるが、完成度はかなり高いものになっている。 被験者については、当初の数は見込めなかったが、1年間プログラムが継続でき、この研究に非常に関心が高く、積極的に意見を述べる男女数名を得ることができた。 プログラムの実施は、当初計画したよりも3カ月早い平成27年10月より行うことができた。被験者が記載しやすいように、報告書の形式を決め、また、被験者の学びが充実するように、その月の「学びのポイント」を作成した。被験者からは、毎月必ず報告書は届き、記載内容も充実しており、プログラムの有効性を感じる。また、普及啓発資料のための修正点を得ることができている。返信するときは、終了した月の「学びのポイント」と次の課題を添付した。「学びのポイント」は被験者からも好評である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策について述べる。 このまま、プログラムを継続すると、平成28年9月末には終了予定である。その後、被験者の報告書から結果を分析・考察する。それを基にプログラムの修正などを行い、デザイナーとの打ち合わせを重ね、普及啓発資料の記載内容を平成28年度内に決定する。平成29年度は、普及啓発資料を作成し、修正を重ね、印刷する。平成29年10月頃を目途に、各大学に配布する予定である。 研究交流および成果公表の推進方策としては、平成28年度はIFHE(国際家政学会)の世界大会(2016年8月、韓国大田にて開催)において成果を公表し、研究交流をする。平成29年度は、関連の国内学会での成果公表と、論文として投稿する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じているが、極少ない値である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究費の使用については以下のように計画している。 1)普及啓発資料作成のための会議費および旅費(デザイン委託者が東京のため)2)IFHE(国際家政学会)の2016年度大会に参加のための参加費及び旅費3)調査結果分析や普及啓発資料作成の際の経費(研究補助者への謝金含む)
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