2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K00719
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
重川 純子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (80302503)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 家計簿 / 記帳活動 / 家計管理 / 生協 / 生計費調査 / 組合員活動 / ライフプランニング活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、家計管理の実態を調査し、今後の家計管理の課題・方法を検討することである。今年度は、主に消費生活協同組合が長年行ってきた家計活動の実態調査を行った。生協による家計活動として、家計簿記帳による「全国生計費調査」、組合員活動、ライフプランニング(LP)活動を取り上げた。2つの生協へのヒアリングと2017年時点で日本生活協同組合連合会(日本生協連)に加入する地域生協124を対象とした調査票調査を実施した(回答数58、回収率47%)。 組織的な家計簿記帳活動は、1957年に横浜生活協同組合において、記帳により生活実態を確認し、政府に現状を伝えるために始まり、その後日本生協連による「全国生計費調査」として全国に広がった。1977年に家計簿運動強化を決定し、1990年代半ばまでは協力者が増加していたが、近年は協力者が減少傾向にあり、2017年で現在の方法での調査を終了した。回答生協の半数がこの調査に参加しており、日本生協連による集計だけでなく、各生協による独自集計や組合員への結果発信などの活用もみられた。約半数の生協では、組合員による家計の学習活動が行われ、家計簿記帳やライフプランなどを相互に学ぶ場が供されていたが、女性の就労化によりこの活動も活動最盛期に比べ縮小傾向にある。LP活動は共済と関わって始まっており、前者2つに比べ小規模生協でも実施割合が高い。職員だけでなく組合員にも生協独自のアドバイザーやFP取得を推進し、組合員活動とも連携がみられる。LP活動を行う生協の約7割は組合員のアドバイザーを増やしたいと考えており、生協の家計活動は、活動の形は変化しつつあるが組合員にとって有用な活動として受け継がれていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は、家計簿記帳活動・家計管理学習活動について、活動を実施している生協等へのヒアリング調査と調査票調査、インターネット調査を予定していた。生協への調査については概ね予定通り進捗しているが、インターネット調査については、最終年度に持ち越すことになり、この点でやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
家計管理についてのインターネット調査を行う予定である。調査対象者自身、あるいは対象者が属する世帯における家計管理の実態(紙媒体以外を含む家計簿記帳の有無、記帳の具体的内容、記帳以外の方法による家計管理の内容等を調査する。2人以上の世帯の場合には、担当者や現在の方法の決定過程など家計の組織化についても調査に含める予定である。家計管理の実態を明らかにするとともに、管理方法などに影響を与える要因を検討する。
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Causes of Carryover |
家計管理に関するインターネット調査の実施が遅れているため、その調査費用が次年度に持ち越しとなった。
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