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2015 Fiscal Year Research-status Report

父親支援教育における基礎理論構築に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15K00725
Research InstitutionOsaka Kyoiku University

Principal Investigator

小崎 恭弘  大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (20530728)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords父親 / 父親支援教育 / 子育て支援 / 基礎自治体 / 全国調査
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、父親支援教育の現状を明らかにするとともに、そのプログラム構築に寄与することを目的とし実施した。父親の育児参画が社会的に関心を集める中で、男性が父親となるための教育支援の現状についての調査は実施されておらず、また具体的なプログラムの散見はみられるが、理論構築がなされてはいない。本研究では、男性が父親になるための教育支援を明らかにし、もって父親の家族形成における主体的育児推進のための基礎的理論構築を目指す。
そのために本年度は、大きく二つの研究を実施した。一つは父親支援教育に関わる文献研究である。これは現在の父親支援教育の歴史的な変遷と、その意義を理解すると目に実施をした。1990年に始まるとされる、我が国の子育て支援において、当初父親はその育児の主体としての位置づけでなされておらず、ほとんど記載がないことが分かった。父親の育児関する記述がみられるのは「少子化対策プラスワン」まだ待たなくてはならない。この様な歴史的な背景を理解することは、今後の父親支援教育の社会的な位置づけを明確にし、その意義のタイミングと社会の意識や制度の関連性を考える上で、大変重要な理解であるといえる。
また現在の父親支援教育の実施状況の理解を得るために、全国の基礎自治体(市町村)への調査を行った。2015年度の子ども子育て新システム実施に伴い、全国の自治体で子育て支援が積極的に行われることとなった。そのようなタイミングで、日本の基礎自治体の父親支援教育の取り組みの理解は、我が国の子育て支援を理解するうえで重要なものであるといえる。またこのような父親支援に特化した全国調査は、これまで全国で実施されてはおらず、今後の父親支援教育を考える上においても、大変意義深いものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

全国自治体の父親支援の取り組みの現状を把握するために、全国自治体を対象とした調査を行う。全国の市区町村がどのような形で父親支援に取り組み、また父親支援についての意識や問題点、あるいは父親支援の取り組みの決定要因について、アンケート調査から明らかにすることを目的とする。
【調査対象】全国の市区町村の子育て支援担当者を対象に、郵送による調査を実施した。対象自治体は1741箇所であり回収数は723であった。回収率は41.52%。・【調査時期】2015年10月~11月【調査方法】郵送による配布と回収。無記名式。選択式と記述式による回答【調査内容】事前に作成した調査表を、三ヶ所の自治体職員に回答を依頼した。同時に質問項目、回答方法などについての検討を依頼した。その結果を考慮し、新たに質問票を作成し配布回収を行った。質問項目は4部からなる。1.父親支援の状況2.父親支援に対する意識3.父親支援の取り組みの課題4.自治体プロフィール【倫理的配慮】調査依頼書に調査目的、データ使用方法、連絡先を明記し、適正な調査とデータ処理についての理解を得た。またデータは自治体や個人を特定しないように配慮を行った。
全国基礎自治体の父親支援に関する調査は、本調査が初めてでありその意義は大きい。 父親支援の必要性については、多くの自治体において認められているが、実際の取り組みや意識においては決して高いものとはなっていない。またそれらの取り組みの阻害要因としては、「自治体の業務要因」「父親要因」「支援要因」の三点が明らかとなった。
また今後の子育て支援の中核となる「こども子育て支援事業計画」においても、具体的記述、数値目標共に低いものとなっている。この計画は5年を一区切りとしており、この5年間の間により効果的かつ具体的な父親支援を構築する必要性がある

Strategy for Future Research Activity

今後は昨年度収集した全国基礎自治体のデータの分析を行い、全国の自治体における父親支援教育の実態を明らかにしていく。収集したデータから、自治体の規模や人口構成などの人口要因や、子育て支援に対する意識や取り組み、父親支援プログラムの実際の取り組み程度など、様々な角度から自治体間の比較やデータの分析を行い、父親支援教育の意義を明らかにしていきたい。またそれらのの取り組みが自治体のどのような要因により、変化しているのかなど具体的な要因の分析にも取り組みたいと考えている。同時にそれら質的なデータを補完する意味においても、父親支援教育に特徴的ないくつかの自治体へ赴き、父親支援教育に取り組む姿勢やその背景、具体的な取り組みのプログラム、その効果や問題点など、質的な視点からより丁寧な調査を行いたいと考えている。
そして同時に父親支援プログラムやツールなどの、より具体的な教材や内容についての理解を深めていきたいと考えている。

Causes of Carryover

平成27年度末の全国基礎自治体父親支援調査で実際にかかる費用が正確に予測できず、足りない場合を考慮して40万円前倒し支払請求を行ったが、予想したよりも少額で実施することができたため,残額の35万円は予定通り平成28年度実施計画に使用することとなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

前倒し支払請求を行った40万円のうち35万円を上記理由により次年度へ繰り越すことなったため,当初平成28年度に予定していた計画に繰越分を使用することとする。
具体的にはインタヴュー調査と資料の収集に充てる。

  • Research Products

    (8 results)

All 2016 2015

All Journal Article (4 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 父親支援における父子手帳の内容とその意義2016

    • Author(s)
      小崎 恭弘
    • Journal Title

      生活文化研究

      Volume: 53 Pages: 13-21

  • [Journal Article] イクメンとは何か?2016

    • Author(s)
      小崎 恭弘
    • Journal Title

      人事実務

      Volume: 1156 Pages: 76-78

  • [Journal Article] イクメンとWLB2016

    • Author(s)
      小崎 恭弘
    • Journal Title

      人事労務

      Volume: 1158 Pages: 55-58

  • [Journal Article] 若年男性の働きに草2016

    • Author(s)
      小崎 恭弘
    • Journal Title

      人事労務

      Volume: 1160 Pages: 54-58

  • [Presentation] 父親の子育て共有と学びに関する意識2016

    • Author(s)
      小崎 恭弘
    • Organizer
      日本家政学会
    • Place of Presentation
      金城学院大学
    • Year and Date
      2016-05-27 – 2016-05-29
  • [Presentation] 地方自治体における父親支援の現状2016

    • Author(s)
      小崎 恭弘
    • Organizer
      日本保育学会
    • Place of Presentation
      東京学芸大学
    • Year and Date
      2016-05-07 – 2016-05-08
  • [Presentation] 夫婦・家族関係における協同について2015

    • Author(s)
      小崎 恭弘
    • Organizer
      日本心理学学会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      2015-09-21 – 2015-09-23
  • [Presentation] 少子化対策の変遷における父親支援の位置づけとその意義ー少子化対策プランをてがかりにー2015

    • Author(s)
      小崎 恭弘
    • Organizer
      日本保育学会
    • Place of Presentation
      椙山女学院大学
    • Year and Date
      2015-05-09 – 2015-05-10

URL: 

Published: 2017-01-06  

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